<<ストーリー>>

バッファロー・ビルの事件から十年。事件に関わったFBI特別捜査官クラリス・スターリングも、今やキャリアを積み、麻薬捜査を指揮していた。だが、麻薬ディラーのイヴェルダを追いかけていたその日、クラリスは、一瞬の判断ミスを犯してしまった。赤ん坊を盾にしようとしたイヴェルダを射殺し、部下にも多数の死傷者を出てしまったのだ。その一件でクラリスは、FBIの内外から批判され、立場を悪くした。そして、追討ちをかけるように、司法省のポール・クレンドラーからも非難されたのだった。
そんなクラリスの窮地を知り、救済の手を差し伸べたのは、政府に絶対な影響力を持つ大富豪メイスン・バージャーだった。彼は、殺人鬼ハンニバル・レクター医学博士の四人目の犠牲者であり、顔面の皮膚はレクターに食われ失なわれていた。レクターは既にFBIの重要指名手配のリストから外されていた。だが、バージャーは憎きレクターをリストに戻させ、その追跡をクラリスに依頼した。ついに、レクターが沈黙を破って動き出したのだ。
レクターの消息の手がかりは、バージャーのもとに送り付けられてきた一枚のレントゲン写真のみ。クラリスは、十年前にレクターとはじめて対面した刑務所を訪れ、看守のバーニーに会った。レントゲン写真に写っていたのは、看護婦に折られたバーニーの腕の骨だったのだ。クラリスはバーニーから、当時のレクターとの対話を収めた録音テープを借りた。たが、テープを幾度聞きなおしても、レクターの居場所に繋がる手がかりは得られなかった。
ある日、クラリスのもとへ一通の手紙が届いた。それは、レクターからのメッセージだった。便箋にスキンクリームが残っていることに気付いたクラリスは、その香りを頼りに調査を行い、フィレンツェのある香水店を突き止めた。そして、香水店から監視ビデオのコピーを取り寄せた。
そのころ、フィレンツェでは、リナルド・パッツィ刑事が殺人鬼の捜査のため、図書館で司書しているフェロー博士に事情を尋ねていた。署に戻ったパッツィは、FBIからの依頼で部下がコピーを作っていた監視ビデオを見て、そこにフェロー博士が写っているのを目に留めた。疑問に思い、FBIのホームページで指名手配リストをチェッすると、そこにはフェロー博士の顔写真が殺人鬼レクターとして紹介されていた。情報提供者におくられる多額の懸賞金に惹かれたパッツィは、スリの常習犯を使って、自分のブレスレットにレクターの指紋を付けることに成功した。
クラリスは、フィレンツェから郵送されてきたビデオを確認し、そこにレクターの姿を発見した。また、FBIのホームページのログを解析したところによれば、ある人物が頻繁にレクターの情報にアクセスしているようだった。クラリスは、その人物、パッツィ刑事を突き止め、彼にレクターに近づかないよう電話で警告した。だが、パッツィはクラリスの警告を無視し、レクターを自分で捕まえようとしていた。
その頃、図書館の講堂ではフェローの研究発表が行われていた。図書館の周囲は、フェローことレクターを確保するため、バージャーの部下が取り囲んでいた。研究発表後、パッツィはレクターと対峙した。その時、クラリスの杞憂通り、レクターは殺人鬼の正体を明かし、パッツィに「君の妻を食おうと思っている」と宣言した……。



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