刑事は凶悪犯を捕まえるため、仲間の囚人を48時間の期限付きで相棒につける。
白人の刑事と黒人の囚人というコンビの活躍を描くバディ・アクション。
48時間
48 HRS.
1982
アメリカ
96分
カラー
<<解説>>
白人の刑事と黒人の囚人。立場も人種も性格も異なる意外なコンビの活躍、そして、友情を描いたヒット作。ノルティの相棒役には、コメディアンのエディ・マーフィで、これが彼の映画デビューとなった。マーフィはすでに口八丁手八丁な役柄だが、後の出演作で見られるような軽いノリではなく、ほとんど笑顔を見せない硬派な芝居を見せる。彼の登場によってもコメディとならず、ハード・ポリス・アクションの世界が崩されていないところは、今観ると逆に新鮮だったりする。好評につき、続編も作られた。
バディ・ムービーの傑作『手錠のまゝの脱獄』の主人公である白人と黒人は二人とも囚人だったが、本作はさらに刑事と囚人という別の差異が付加されている。つまり、ノルティ演じるジャックとマーフィ演じるレジーは対等などではなく、前者のほうが圧倒的に有利な位置に置かれているのである。二人の差異が歴然としているところに、他のバディものとは違う面白さがあり、より殺気立った二人のやり取りが楽しめる。はじめは反目しあうのはバディももののお約束なのだが、本作の二人はそのあたりが過剰である。侮辱的な言葉のぶつけ合いからはじまり、ついには殴り合いの大喧嘩。一方、大事な捜査の方は失敗に次ぐ失敗。こんな調子で、果たして、二人はタイムリミットまでに事件を解決することができるのか……というところが見どころのひとつとなっている。
夜の街で車を走らせたら天下一品のヒル監督。本作もやはり夜のシーンが中心に撮られていて、主人公のおんぼろキャデラックや、バスとのカーチェスなどが印象に深い。『エイリアン』でブレイクしたヒル監督が、ニ作目の『ザ・ドライバー』に回帰したようにも思えるが、初心に返ったというより、その後のスタイルを確立させたといったほうが良いかもしれない。音楽は盟友であるライ・クーダーと組むことが多いが、本作ではホーナーが担当。彼のジャジーで緊迫感のあるスコアは絶品だ。彼とは姉妹作といった趣きの『レッド・ブル』で再び組むことになる。
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