夫の殺人の罪を被った極道の妻。
彼女の服駅中、組は合法ビジネスに乗り換えるが、それは壮絶な抗争の幕開けだった。
シリーズ第8作。

極道の妻(おんな)たち
赫い絆

1995  日本

114分  カラー



<<解説>>

ヤクザの世界に生きる女性たちを取材した家田荘子のルポルタージュを基にした、女性が主人公の異色の任侠映画シリーズの第八弾。「極妻」の代名詞、岩下志麻の主演作としては六作目(第二、三弾には未出演)となる。監督は、後に高島礼子主演版「極妻」全五作のうち四作を監督することになる関本郁夫。
降旗康男監督による前作『三代目姐』は、任侠映画としての美意識にこだわり、シリーズの一つの頂点を極めた。前作の王道の路線から一転した本作は、巷間に定着した「極妻」をセルフ・パロデイにしたような遊び心が随所に見られる。任侠映画にして、脱・極道というテーマも意欲的であり、序盤で、組織は違法なしのぎから合法的にビジネスに乗り換え、“極妻”も堅気となってスーパーマーケットで働き始める。我らが“極妻”がレジ打ちしている姿は面がゆいが、もちろん、“極妻”がこのままで終わるはずもなく、後半は対抗組織や裏切り者たちを向こうに回した、血で血を洗う壮絶に闘いが展開。はりめぐらされた伏線の間で豊かな人間関係が交錯し、二転三転していくストーリーは見ごたえがある。



<<ストーリー>>

大阪の極道・堂本組。先代の組長・増吉は、娘・きわの夫である久村に跡目を譲ることにした。襲名披露の直後、久村はトラブルから対立する組織・三東会の組員を殺してしまった。きわと幹部の村上は夫の罪を被り、懲役となった。この事件をきっかけに、堂本組と三東会の間で抗争が起こるが、さわと久村が離婚することで手打ちとなった。堂本組はリゾート開発の用地買収という合法ビジネスに事業を切り替えていっ
数年後、村上より先に仮出所したきわは堅気となり、スーパーで働きながら独り暮らしを始めた。そこへ、彼女が息子のようにかわいがっていたチンピラの宣生が現れ、護衛として寄り添うようになった。きわは宣生から三東会に狙われていることを知らされても、組には戻る気にはならなかった。だが、先代である父・増吉が暗殺されたことを機に、組に戻っていった。増吉殺害の犯人は、増吉ときわ親子の存在を厭わしく思っていた、久村の愛人・眉子だった……。