九州から上京してきた男子高校生の家に手違いから同級生の少女が下宿することに。
同棲生活を送る二人に学園の二人の優等生の近づき四角関係に発展。
四人少年少女たちの成長を描く青春ドラマ。
翔んだカップル
オリジナル版
1983(1980)
日本
122分
カラー
<<解説>>
柳沢きみおの同名漫画を鶴見辰吾と薬師丸ひろ子の共演(両者共に初主演)で映画化。監督には新人だった相米慎二が抜擢された。1980年の初公開時は十六分短いバージョンが上映された。ディレクターズ・カットである『オリジナル版』は1983年の公開された。
高校生の男女が一つ屋根の下に暮らすシチュエーションが王道的なラブコメ。様々な恋のライバルの出現を絡めつつ、二人の恋の行方を描いてく。ラブコメらしい軽いタッチでありながら、監督の独特のリアリズムの追求がなされている。実験的な撮影や難解な場面が多く、監督の特徴でもある極端な長回しや雨のシーンへの拘りも見られる。序盤の軽さから一変した終盤の倦怠感は今観ても衝撃的である。アイドル映画を予想していた観客の期待を良くも悪くも裏切った佳作。
<<ストーリー>>
学校では、圭は学園の一の秀才・中山から、さかんに誘いをかけられおり、一方の祐介も優等生の女子学生・杉村秋美から積極的なアプローチを受けていた。勇介と圭は、同棲していることがバレるのを恐れ、また、互いに気のないフリをするため、それぞれ近づいてきた相手と付き合い始めるのだった。
中山に続いてもう一人、圭に憧れる男が現れた。それは、祐介の所属するボクシング部のキャプテン・織田であり、彼は勇介の家に押しかけ、勝手に居候を始めてしまった。織田が邪魔者であるということで気持ちが一致した勇介と圭は、勇気を出して織田を追い出した。この騒動のおかげで、勇介と圭は互いに好意を持っていることに気付くが、気持ちを素直に伝えることができなかった。
相変わらず、勇介は秋美、圭は中山と付き合いを続けつつも、悶々とした気持ちのまま、いつしか約束の一ヶ月は過ぎていた……。