強盗専門のプロの逃がし屋と彼を追う刑事の駆け引きを描くクライム・アクション。

ザ・ドライバー

THE DRIVER

1978  アメリカ

98分  カラー



<<解説>>

『ストリートファイター』(1975年)に続く、ウォルター・ヒル監督の二作目。ロサンゼルスを舞台にしたノワール映画である。片や、華麗なドライビングで強盗の逃走を助ける逃がし屋。片や、犯人の逮捕には手段を択ばない執念深い刑事。二人の男の熾烈なチェイスを描く。
一貫して硬派な男の世界を撮り続ける監督が、この物語で男たちに持たせてた得物は銃、ではなく車である。闘いはカー・アクションを主体に展開していく。夜のロスを疾走する車のかっこよさは言うまでもなく、まさにこれを撮りたかっただろう。しかし、スピード本位のチェイスだけではない。迷路のような倉庫内では、相手を牽制し合いながらゆっくりと車は動く。この緊張感みなぎる低速のチェイスも素晴らしい。



<<ストーリー>>

その“ドライバー”の客は暗黒街の犯罪者たちである。仕事を終えた強盗犯を車に乗せ、巧みなドライビング・テクニックで警察から追跡を振り切ることが彼の仕事であった。
“ドライバー”を追うことに執念を燃やす一人の“刑事”がいた。“刑事”は“ドライバー”の尻尾をつかむため、罠をしかけることにし、彼の逮捕したチンケな強盗に取引をもちかけた。
“ドライバー”の今度の客は銀強強盗である。だが、“ドライバー”はその鋭い臭覚で、それか警察の罠であることに気付く。強盗は“刑事”の協力者であり、金も警察が用意させたものだったのだ……。