港町に暮らす双子姉妹とその母親の恋の行方を描くミュージカル。
ロシュフォールの恋人たち
LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT
1967
フランス
125分
カラー
<<解説>>
監督ジャック・ドゥミ、音楽ミシェル・ルグラン、主演カトリーヌ・ドヌーヴのトリオによるミュージカルとしては、『シェルブールの雨傘』、『ロバと女王』に続く、作品。台詞が全て歌にした一作目。直球のメメヘンの二作目。そして、本作は、40〜50年代にハリウッドを彩り、60年代半ばから下火になりつつあったミュージカルのオマージュ。『雨に唄うえば』のスターで、ハリウッド・ミュージカルの象徴的な俳優ジーン・ケリーをゲストに迎える。
ハリウッド・スタイルを踏襲しつつ、フランスらしいセンスで、歌とダンスをブラッシュアップさせた。フランス語の優雅な抑揚。カラフルなファッション。ルグランのジャジーな挿入曲も白眉で、「キャラバンの到着」や「双子姉妹の歌」は今やスタンダードである。複数の恋模様を展開させた賑かなストーリーも、歌とダンスに絢爛にマッチしている。ミュージカルのエッセンスが詰まっていて、とにかく楽しいの一言。新たなミュージカル映画の金字塔となった。
<<ストーリー>>
港町ロシュフォールに住む双子の美人姉妹ソランジュとデルフィヌは素敵な男性が現れるのを夢見ていた。
町がいちばん活気づく、年に一度のお祭りが近づいていたある日、双子姉妹の母親イボンヌのカフェに、理想の女性を探して旅をしているという画家で水兵のマクサンスがやってきた。デルフィヌは、マクサンスが描いた理想の女性の肖像画が、自分そっくりなのを見て、胸躍らせた。
一方、作曲家志望のソランジュは、楽譜を預けたピアノ屋シモン・ダムの悲恋話を聞いていた。彼には、“ダム”という名前がヘンであることが原因で別れ、メキシコに旅立ってしまったという恋人がいると語ったが、その恋人がイボンヌであることは、明かさなかった。
ソランジュは、町角で偶然であった外国人に一目惚れをした。彼女は、その外国人が、彼女のあこがれる大作曲家アンディであることを知らなかった……。