色の名をコードネームに持つ犯罪チームの内紛を描くバイオレンス・アクション。
タランティーノ監督の出世作。
レザボア・ドッグス
RESERVOIR DOGS
1992
アメリカ
99分
カラー
<<解説>>
映画オタクの売れない俳優であったクエンティン・タランティーノの書いた脚本が、サンダンスで評価されたことをきっかけに、本人自らの監督により豪華キャストで映画化。独特の作風で人気監督に躍進したサクセス・ストーリーと共に語り継がれる伝説的作品。
六人組の犯罪のプロ集団が、ある宝石強盗の最中に警察に踏み込まれたことをきっかけに、仲間の中の裏切り者の存在を知る。疑心暗鬼にとらわれた彼らの間に、壮絶な殺し合いの幕が切って落とされる。
マドンナ「ライク・ア・ヴァージン」の小話に代表される下品で洒落た会話。M・マドセンの耳そぎダンスに代表されるスタイリッシュで過剰なバイオレンス。映画オタクが無邪気に妄想したあんなシーンやこんなシーン。それを具現化した目くるめく映画のファンタジー。中身がない? 否、互いに色の名で呼び合う黒尽くめの男たちが倉庫の前を闊歩する、このカッコ良さだけで十分である。
これはタランティーノの前作品に言えることであるが、シーンを優先で構成されていて、脚本は後から付いてくる。映画には、印象的なシーンが必要であるという、皆が忘れかけていた真実を、彼が問い直したことは小さくない。そして、喜ばしいことは、彼は誰になんと言われようが、その初心を貫き続けていることである。
<<ストーリー>>
お互いを色のコードネームで呼び合うホワイト、オレンジ、ブロンド、ピンク、ブルー、ブラウンの六人のプロの犯罪チーム。彼らはジョー・カボットとナイスガイ・エディの親子の依頼で、ダイヤ強盗を決行した。
ところが、仕事の最中、現場が警官隊に踏み込まれ、オレンジが撃たれて重症を負った。ホワイトはオレンジを連れてアジトの倉庫に逃げるが、ブラウンは逃走中に死に、ブルーとははぐれてしまった。ピンクは無事に倉庫に戻ってきた。
仲間の中に警察の「犬」がいると考えたホワイト、ピンク、ブロンドの三人は、捕まえてきた一人の警官に、裏切り者の名を言わせようと袋叩きにした。そこへエディがやってきて、慌てて三人を止めた。
だが、エディ、ホワイト、ピンクが倉庫から出て行くと、残忍を好むブロンドは、警官の耳をそぎ落とした上、ガソリンをかけて脅すのだった……。