犯罪組織スペクターにより核爆弾が盗まれ、英米が脅迫された。
ジェームズ・ボンドはCIAと手を組み、スペクターと水中戦を繰り広げる。
シリーズ第4作。
007/サンダーボール作戦
THUNDERBALL
1965
イギリス
130分
カラー
<<解説>>
ショーン・コネリー主演の007シリーズの第4作。監督は1、2作目のテレンス・ヤングが再登板。ボンド・ガールは、フランスの女優クローディーヌ・オージェ。今回はバハマの海を舞台としたアクションもので、水中撮影を駆使したシーンが新鮮。
人気スパイ小説であった007シリーズの映画化されるにあたり、第1作目用として執筆されたオリジナル脚本が本作である。シリーズを通じる宿敵スペクターの設定や、視覚的に映えるアクション・シーンなど、小説よりも映画向きな内容になっている。ところが、原作者のイアン・フレミングが本作を権利者に無断で小説化したことで係争となり、製作が遅れるという結果となった。本作の映画化権は、脚本の共同執筆者マクローリーも持っており、彼が独自にコネリー主演で映画化したのが『ネバーセイ・ネバーアゲイン』である。
敵の標的はイギリスではくNATOというスケールの大きさと、スパイ映画の枠を超えたスペクタクル。冷戦構造を背景にしたスパイ映画のリアリティはひとまず置き、派手さを追及した本作は、シリーズの新たな方向性を示した。これまで度々CIAと協力しながらも、スタンドプレイが多いボンドだったが、今回は大々的に作戦を立ててチームプレイで事件の解決に臨む。クライマックスでの突入では海兵隊まで参画。敵味方入り乱れての苛烈な戦闘シーンは、スパイ映画というよりもはや戦争映画。
<<ストーリー>>
ボンドの宿敵である国際的な犯罪組織スペクター。そのナンバー2と称される男ラルゴにより、核爆弾を積んだNATOの戦闘機が強奪される事件が発生。アメリカとイギリスは、爆弾と引き替えに巨額を要求された。
早速、ボンドはCIAと協力して、爆弾の奪還作戦に乗り出した。その作戦は、名付けて、“サンダーボール”。
まず、ボンドは、戦闘機強奪の実行犯である飛行士の妹ドミノに近づいた。彼女は表向きは大富であるラルゴの情婦として、バハマに暮らしていたからだ。やがて、ボンドは、ドミノを介して向こうから屋敷に招かれることに成功。ボンドはラルゴを自分に引きつけている間に、仲間に屋根を探らせていたが、敵に感づかれてしまった。仲間は殺され、ボンドも屋敷に監禁されてしまった……。