あれから五年後、再びニューヨークはゴーストにおびかされた。
すべての元凶である中世の暴君の亡霊と対決するため、休業していたバスターズが復活する。
ゴーストバスターズ2
GHOSTBUSTERS II
1989
アメリカ
108分
カラー
<<解説>>
幽霊退治屋の活躍を描いて大ヒットした傑作SFコメディの続編。監督は前作に続いて、アイヴァン・ライトマン。ゴーストバスターズのメンバーである主演三人、ビル・マーレイ、ダン・エイクロイ、ハロルド・ライミスに加え、主要キャスト皆が続投。
物語は、現実の時間経過と同じ五年後から始まる。前作のラストでニューヨークを救ったゴーストバスターズだったが、ビルを爆破した疑いで、業務停止の処分を受けてしまっていた。彼らにとって幽霊よりも強大な敵は現実だったのだ。現実に屈し、悪い意味で大人になってしまった三人、「インチキ」と後ろ指を指されるまでに落ちぶれた英雄が、再び現れた強敵と対決することで、実存を取り戻していく姿を描く。
ヒットした娯楽作の続編でありがちなのは、物語の舞台を外に広げる、敵役を強大にする(あるいは多くする)、新兵器や新キャラを投入する等の量的なブラッシュアップである。しかし、本作はそういったことをいっさいやっていない。舞台は前作で慣れ親しんだニューヨーク。前作と同じキャラクター。前作と同じユルいギャグ。あのお馴染みの改造消防車。既にスタンダード化したテーマ曲。新たな敵も前作と大差はないし、怪獣的な巨大な人形が街を闊歩するというクライマックスまで再現。前作を超えるという欲を捨て、徹底して観客の期待を裏切らなかった本作は、“良心的続編”として当然大ヒットとなった。
<<ストーリー>>
ゴーストバスターズがニューヨークの街を救ってから五年後。街を破壊したかどで市や郡から訴えられたゴーストバスターズは、幽霊退治を禁止する処分を受けて目下休業中。レイはオカルト専門の書店をやりながら、時々にウィンストンと一緒にパーティの余興のバイト。イゴンは研究所で超常現象の研究に没頭。ピーターは超常力を扱うテレビ番組の司会で暮らしをたてていた。
一方、ディナは、ピーターとひどい別れ方をした後、別の男と結婚したが、すぐに離婚。今は、生まれて八か月の息子オスカーを、美術館絵画の修復の仕事をしながら育てていた。ある日、ディナの目の前で、乳母車がオスカーを乗せたまま、ひとりでに街中を走り回るという事件が起こった。ディナはイゴンの研究室を訪ねて、調査を相談。ピーターには知らせない約束であったが、レイが白状してしまったため、結局、ピーターも調査に加わることに。
あの時、乳母車が最終的に停まった場所の地面の下の方から、霊探知機が激しい反応をかえしてきた。レイたち三人は。その夜、工事に見せかけて車道の真ん中に穴を掘り、その地下にあった廃線された地下鉄にスライムの川が流れていることを発見。レイはスライムの川からサンプルの採取に成功するが、工事が嘘であることに気付いた警察に逮捕されてしまった。
その頃、ディナの働く修復部の部長ヤノシュ・ポーハ博士の目の前に、修復中の絵画の中からウクライナの魔術師ビーゴ大公が現れ、悪の栄える時が来たことを宣言。また、「幼子を我が手にするば蘇るだろう」と語った。ディナに気があり、彼女を自分のものにしたいと考えていたヤノシュは、ビーゴ大帝が狙いがオスカーであることに気付くと、彼に協力的に動くようになった。
法廷に立たされたレイ、イゴン、ピーターの三人は、弁護のかいなく有罪の判決が下り、罰金と懲役刑を言い渡された。だが、その時、地下から採取したスライムが活発化し、判事が死刑にした殺人犯兄弟の亡霊が出現。亡霊に恐れをなした判事は、その場で幽霊退治禁止処分を解除した。かくして、レイたちは、証拠品として提出されていたゴーストバスターズの装備をつけて、亡霊を緊急退治。この事件がきっかけで、再び脚光を浴びたゴーストバスターズは、営業を再開するのだった。
ディナは仕事中、絵の中のビーゴ大公から見られているような気がしてならなかった。そんなある晩、ディナがオスカーを風呂にいれようとすると、突然バスタブが襲い掛かってきた。ディナは自宅を飛び出し、ピーターの家に逃げ込んだ。翌日、ピーターはレイ、イゴンと共に美術館に乗り込み、ビーゴ大公の絵を調べるてみると……。