ハマちゃんが釣りバカを返上して親バカに?
ハマちゃんが息子を会社に連れてきたことから大騒動が巻き起こる。

釣りバカ日誌5

1992  日本

95分  カラー



<<解説>>

ハマちゃんの母親役としてゲストに乙羽信子を迎えたシリーズ5作目。前作のラストから引きずるハマちゃんとスーさんの喧嘩。田舎からの母親上京から端を発した、社内での鯉太郎の行方不明事件。後半は舞台を丹後半島に移し、騒動の責任を取らされたハマちゃんの左遷の顛末が語られていく。
前作やシリーズ後半のようなドラマ性はほぼなく、ハマちゃんの息子・鯉太郎を中心としたギャグ作品になっている。中盤の全社を巻き込んでの騒動が強烈な分、終盤の転勤のくだりのトーンダウンが否めないが、鯉太郎にハマちゃんにとられたり、浜崎一家が遠くに行ってしまいそうになったりして、ちょっと寂しそうなスーさんの心情が描かれているのは良い。



<<ストーリー>>

息子の鯉太郎が生まれてから一年、釣りのことよりも鯉太郎のことで頭がいっぱいの浜崎伝助(ハマちゃん)。一方、子供をべたべたかわいがるばかりの浜崎に苦言を呈する鈴木一之助(スーさん)。子供への接し方についての意見の分かれる二人は、近頃、喧嘩ばかりだった。
宮崎から浜崎の母親のたきが上京してきた。浜崎の家に遊びに来ていた鈴木は、浜崎の釣りの弟子として紹介されるが、浜崎の会社の社長とは言い出せなかった。そのため、たきに定年過ぎの飼い殺し社員と思われて、悪い印象を持たれてしまった。その上、赤ん坊のおむつのことで意見が対立し、言いくるめられた鈴木はすっかりたきが苦手になってしまった。
数日後、みち子はたきに鯉太郎をあずけて同窓会に出かけて行った。たきは、鯉太郎を抱いてお守りをしていたが、発育の良い彼の体重は意外と重く、ぎっくり腰を起こして倒れてしまった。八朗から急報を受けた浜崎は、会社から自宅に戻って鯉太郎を保護するが、さてどうしたものか。鯉太郎を預ける相手もいないので、とあえず会社に連れて戻るのだった。
浜崎が商談中、営業三課の同僚たちが鯉太郎の子守りをすることになったが、ちょっと目を離した隙に、行方不明になってしまった。商談を終えた浜崎は、会社中を探し回っていた同僚と鉢合わせ、事態を知ることに。どこを探しても鯉太郎が見つからず、憔悴しきった浜崎は、同僚の「誘拐されたかも」という言葉でさらに取り乱し、火災の非常ベルを押してしまった。たちまち社内はが大混乱に……。