ハマちゃん在籍の営業三課にスーさんの甥っ子が入社してきた。
ハマちゃん家に招かれた甥っ子は近所の釣り船の船長の妹に一目惚れをする。

釣りバカ日誌4

1991  日本

91分  カラー



<<解説>>

ゲストに尾美としのり、佐野量子を迎えたシリーズ4作目。2作目、3作目は、スーさんをメインにしたストーリーだったが、本作はスーさんの甥っ子がメイン。彼と、ハマちゃん御用達の船長の妹との、ほほえましい恋の顛末を描く。
釣りバカコンビが若い(若くない場合もあるが)男女の恋を見守るというパターンは、本作で初めて登場した。主人公二人が既婚者であるため、不足しているロマンスを補完させるため、シリーズで度々使われることになる。シリーズ後半ではネタ切れのためか、釣りバカコンビのコメディと、若い男女のロマンスが遊離しがちになるが、本作では、ゲスト・キャラクターとレギュラー陣との関係性が強く、コメディとロマンスがうまく噛み合っている。ハマちゃん夫婦に待望の赤ちゃんが出来るというイベントも、子供や教育といったテーマに一貫性を与えた。まとまりのよい作品である。笑いの面では、出産のエビソートがコントとして上出来。



<<ストーリー>>

子供が出来ないことを悩んでいた“ハマちゃん”こと浜崎伝助の妻・みち子がついに悲願の懐妊。赤ん坊の誕生を心待ちにする浜崎は、ラマーズ法や妊娠体操をみち子以上に熱心に勉強するのだった。
鈴木建設は毎年多くの新入社員を迎えるが、その一割相当が半年持たずに辞めていくという事態に、“スーさん”こと社長の鈴木一之助は頭を悩ませていた。そんな折、鈴木の妹・浪子の息子である宇佐美和彦が鈴木建設に入社してきた。一人前にしてやってほしい、という浪子からのたっての頼みであったが、和彦が配属されたのは、よりにもよって、浜崎のいる営業三課であった。
和彦は良く言えばおっとりとしてやさしく、悪く言えばボーっとしていて競争心がないという性格であった。鈴木は浜崎に和彦の社員としての評価を尋ねてみるが、彼曰く、魚に例えるならば、潮に漫然と流される“マンボウ”タイプであり、鈴木の期待しているような後継者に大変身するような見込みはないという。鈴木は、新入社員にしても和彦にしても、甘やかし過ぎたのではないかと、これまでの教育方針を見直すことにしたのだった。
浜崎は、和彦を自宅に招くなどしてかわいがっていっていた。そのうち、浜崎の入社の経緯やみち子とのなれそめを聞いて涙を流して感動するという、和彦の意外な情熱家の一面を知った。独身の和彦は、好きな人はいないと浜崎に話していたが、ときどき浜崎の家に顔を見せる釣り釣宿・大田屋の八郎の妹・町子のことが気になる様子であった。
浪子は、しっかりした娘と結婚すれば和彦も変わるのではないかと考えた。和彦は良家の娘と見合いをさせられるが、見合いの席で上の空。というのも、その頃、和彦は、同じプロレスの趣味をきっかけに、町子と急接近している最中であった。
ある日、和彦は思い切って町子をプロレス観戦に誘うが、その夜、浜崎家にやってきた町子の表情は暗かった。八郎に和彦との交際を反対されたのだという。酒癖が悪く喧嘩っ早い八郎のこと、説得は不可能だと浜崎とみち子は言った。だが、和彦は「話をはっきりつけてくる」と奮起して、太田屋に乗り込んでいった……。