新人劇作家待望の初上演舞台。
が、ギャングに情婦の出演を迫られたり、勝手に台本を書き替えられたりとてんやわんや。
ブロードウェイの舞台裏を描くコメディ。

ブロードウェイと銃弾

BULLETS OVER BROADWAY

1994  アメリカ

98分  カラー



<<解説>>

ウディ・アレンが20年代のブロードウェイ演劇の舞台裏を描いたコメディ。主演はジョン・キューザックで、アレン自身は出演していないが、キューザックはいつものアレンの演じるキャラをどもり気味に演じている。
この時代の演劇界に愛情を注ぎつつも、徹底的に滑稽な人物描写がお見事。また、これまでの彼の作品はワンシーンを長めに撮ったものが多いが、本作では短いシーンをテンポよくつないでおり、場面転換のキレも素晴らしい。しばしば観客を唖然とさせるアレン特有の飛躍的なストーリー展開も、演出の軽妙さと合致しているため、気が付いたら映画が終わっていたというくらいの滑らかさで見せてくれる。基本的にはドタバタ・コメディであるため、(自身が出ていないためにアレン色が薄れているというのもあるが、)アレン独特の気取ったユーモアが苦手という人も楽しめる作品であろう。



<<ストーリー>>

芸術家肌の劇作家デビッドの書いた作品が初上演されることになったが、出資者したのはギャングのニックだった。ニックは愛人のオリーブを出演させることを要求。デビッドは断れず、泣く泣くオリーブに重要な役を与える羽目に。
素人のオリーブを出す代わり、ダメもとで出していた大女優ヘレンの出演交渉に成功。だが、わがままなヘレンは、自分の役が映えるよう台本の書き換えをデビッドに要求してきた。さらに、オリーブの護衛として稽古場に通っていたニックの部下のチーチまでも、台本に口を出しはじめた……。