ソ連の美人情報員の亡命の手助けをするボンド。
だが、それはボンドへの復讐に燃えるスペクターの罠だった。
007シリーズ第2作。
007/ロシアより愛をこめて
(
007/危機一発
)
FROM RUSSIA WITH LOVE
1963
イギリス
115分
カラー
<<解説>>
『ドクター・ノオ』に続くシリーズの第2作。イアン・フレミング原作の5作目の映像化である。日本初公開時の題名は、『007/危機一発』。監督は前作と同じくイアン・フレミング。ボンド役も引き続きショーン・コネリーが演じる。
監督と脚本が前作と同じだが、SF調活劇から一変し、本格スパイものとなった。秘密結社が黒幕という漫画的な部分はあるものの、冷静を背景としたポリティカルな設定、両陣営の男女のロマンス、列車を舞台とした逃走劇のスリルなど、スパイ映画としての見どころは十分である。007シリーズ独特の行き過ぎた演出の可笑しみと、冒険活劇としての普遍的な面白さを兼ねそろえた秀作である。
この作品では、シリーズのフォーマットの確立をいくつか見ることが出来る。まずはアバン・タイトルが、目を引くアクションになったことが挙げられる。それから、シリーズの特徴であるスパイの秘密兵器が多数登場。ボンドの使用ではないが、つま先にナイフが仕込まれた靴は必見である。まだ、“Q”とは呼ばれないが、デズモンド・リュウェリンが初登場するもの本作である。ボンド・ガールも本作から、ボントにより近いヒロインとなり、ストーリーの重要な役回りとして、行動を共にしていく。演じるダニエラ・ビアンキも魅力的で、本シリーズにボンド・ガールが不可欠な存在となることを決定付けるようである。
<<ストーリー>>
世界征服を企む秘密結社スペクターの幹部は、ボンドがドクター・ノオを殺した件に激怒。結社はジェームズ・ボンドの暗殺を決議し、彼をおびき出す餌として、タチアナというソ連の美人情報員と暗号解読器を利用することにした。
ボンドは、ソ連からイギリスへ亡命するタチアナの護衛を行うため、イスタンブールへ飛んだ。亡命成功の見返りは、暗号解読器の情報であるという。ボンドは罠である可能性も感じつつも、タチアナから情報を受けて、解読器を盗み出すことに成功したが……。