英国諜報部員のジェームズ・ボンドが
怪電波でロケットの軌道を狂わす科学者ノオと対決。
007シリーズの第1作。

007/ドクター・ノオ

( 007は殺しの番号 )

DR. NO

1962  イギリス

110分  カラー



<<解説>>

イアン・フレミングのスパイ小説「007」シリーズの6作目を映像化した作品。映画版の記念すべき第一作となった。日本初公開時の題名は、『007は殺しの番号』。監督は大作経験のなかったテレンス・ヤングが抜擢。第二作と第四作にも登板し、現在も続く人気シリーズの礎を築いた。主人公ジェームズ・ボンドを演じるのはショーン・コネリーで、彼の代表的キャラクターとなった。
もともとは、映像化用に書き下ろされた『サンダーボール作戦』が映画版第一作となるはずが、共同執筆者との権利問題で実現されなかったという話は有名。『サンダーボール作戦』は後に映画版第四作として公開された。代わりに第一作となった『ドクター・ノウ』は、後のルイス・ギルバートの監督作(『007は二度死ぬ』『私を愛したスパイ』、『ムーンレイカー』)に通ずる、SF色の強い荒唐無稽な活劇となった。
まだ、007シリーズとしてのフォーマットが固まっていないため、シリーズの特徴であるスパイのガシェットの駆使や、ボンドと共に行動するヒロイン、いわゆるボンドガールの活躍もない。正確には、ボンドガールに当たる女性は登場するが、ストーリーにあまりかかわらない添え物の扱いなのである。内容もどう贔屓目にみてもお粗末なものあるが、画期的なオープニングやテーマ曲は、今見てもかっこいい。ここからすべが始まったというオリジナルの偉大さだけで、十分満足できる作品である。



<<ストーリー>>

ロケットの軌道を狂わした怪電波を調査していたイギリス情報部の支局長が何者かに殺された。情報部は事件の調査のため、秘密諜報員ジェームズ・ボンドを現地に派遣した。ボンドは、支局長が探りを入れていたクラブ島にやってきた矢先、何者かに襲われた。
ボンドを襲撃したのは、CIAの局員ライターだった。ボンドは、誤解を解いたライターと協力して調査を進めるうち、支局長が島から採取した石に放射能があることが突き止めた。原子力を用いて島から強力な電波が発信されている疑いが強まった……。