大人に成長したダミアンは大企業の社長という地位を得た。
キリストの再臨を阻もうとするダミアンの野望を描くシリーズ第3弾。
オーメン
最後の闘争
THE FINAL CONFLICT
1981
イギリス/アメリカ
108分
カラー
<<解説>>
『オーメン2 ダミアン』に続くオカルト映画のシリーズ3作目。悪魔の子ダミアンを演じるサム・ニールの出世作となった。二年ぶりの続編だが、物語世界では十年近く時が立ち、前作では十三歳くらいだったダミアンも三十代。再臨したキリストの抹殺という本来の使命を果たそうとするダミアンと、その企みを阻止しようとする神父の死闘を描く。
「オーメン」シリーズは、無垢な子供が引き起こす凄惨なショックシーンで観客に大きなインパクトを与えたオカルト・ムービーの代名詞とも呼ばれる作品である。しかし、本作のダミアンはすっかり大人。手荒な手段よりも、まずは大企業の社長や大使といった社会的地位を利用しながら、目的を果たそうとするため、ショックシーンもあっさりしている。
前二作では、ダミアンに翻弄される周辺の人々にフォーカスがあてられていたが、本作では、周囲の人々よりもダミアン自身にフォーカスがあてられているようである。前二作のようなホラーを期待した観客を裏切るような内容ではある。しかし、悪魔の子という宿命に忠実に従う孤独さや、時に見せる憂いには奇妙な味わいがあり、悪魔に対して感情移入を誘うという異色のオカルト映画に仕上がっている。
第1作より続いた物語は本作でいったん幕を閉じるが、91年には、ダミアンを女の子に変えた第一作のリメイク的作品『オーメン4』が作られている。
<<ストーリー>>
三十二歳になった悪魔の子ダミアン・ソーンは、大企業の社長で大統領顧問という高い地位を得ていた。イギリス大使に任命されたダミアンは、キリストの再臨が予言されているロンドンに在駐することになった。
一方、デ・カルロ神父と七人の修道士たちは、ダミアンが悪魔の子であることを知ると、キリスト再臨前に彼を殺すことを誓った。デ・カルロの命を受けた修道士たちは、次々とダミアンに奇襲をしかけるがことごとく失敗。修道士たちは無残な最期を遂げていった。
再臨の日が過ぎ去った。ダミアンはロンドンのどこかに誕生したはずのキリストを殺すため、自分の信徒たちに予言の日に生まれた子供たちを皆殺しにするよう命じた。ダミアンと仕事を通じて知り合ったジャーナリストのケイトは、ロンドンで乳児の事故死が頻発していることに疑問を持つが……。