戦闘機パイロットに憧れる高校生が、某国に人質とられた父を救うため、
敵地に戦闘機で乗り込むスカイ・アクション。
ヒット・シリーズ第1弾。
アイアン・イーグル
IRON EAGLE
1986
アメリカ/カナダ
117分
カラー
<<解説>>
高校生が主人公という異色のスカイ・アクション。『トップガン』のヒットにあやかったのかと思いきや、公開されたのが同年であるから意外である。むしろ、ぱっと見は似ても似つかないが、『愛と青春の旅だち』の軍曹役だったルイス・ゴセット・ジュニアが、主人公の協力者として登場するところを見ると、同作にインスパイアされたと考えたほうが良いようある。『愛と…』の青春ドラマをより低年齢層にアピールした設定にし、かつ、同作に皆無だったアクション要素を前面に押し出した娯楽作といったところだろうか。
高校生がはじめて操縦した最新鋭の戦闘機で敵地に乗り込み、敵の戦闘機と空中戦を広げるというストーリーは荒唐無稽にもほどがある。しかし、クライマックスのドッグ・ファイトは実機を使用しただけあり、その迫力は一見の価値がある。実はスカイ・アクションの隠れた名作なのである。本作はヒットし、続編が作られたが、二作目、三作目には本作の主人公のダグ少年は登場せず、ルイス・ゴセット・ジュニア扮する大佐が別の若者を応援したり、自分が主人公となって出撃したりする話で、本作と物語的なつながりはほとんどなかった。最終作である四作目にして、ついにダグが再登場するが、要はクライマックスのドッグ・ファイトに漕ぎ着ければ、ストーリーはどうでも良かったようで、とくかく、スカイ・アクションに尽きる作品である。
<<ストーリー>>
F−16戦闘機のパイロットである父テッドに憧れる高校生のダグ。彼は、友達たちとフライング・クラブを結成し、いつか自分もパイロットになることを夢見ていた。高校卒業後は空軍士官学校に入るつもりで猛勉強していたダグだったが、入試に失敗してしまった。
自棄的になっていたダグのもとに、テッドが飛行訓練中に中東の小国のミグに拿捕され、人質に取られたという報せが入ってきた。ダグは空軍にテッドを救出してくれるよう懇願するが、軍を動かすには政治的な理由により不可能だという。
自分で救出に向うしかないと決めたダグは、退役空軍大佐チャッピーに助けを求めるが、相手にされなかった。ダグは諦めず、クラブのメンバーの協力で敵国の情報を集めたり、兵器を調達する手はずを整えた。そんなダグの熱意にうたれた大佐は、テッドの救出作戦に力を貸す決意をした。
チャッピーの厳しい機訓練に耐えたダグは、空軍基地からF−16を盗み出し、初めてのフライトでチャッピーと一緒に中東に飛んだ。敵の領空にはミグ隊が待ち構えていてた……。