香港を舞台に中国人女医とアメリカ人記者の悲劇の恋を描くドラマ。
慕情
LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING
1955
アメリカ
102分
カラー
<<解説>>
医師で作家のハン・スーインの自伝的小説「多くの輝きをもつもの」を映画化。東洋女性と西洋男性の悲恋を描く。ストーリーだけ追うと、ベタなメロ・ドラマなのだが、ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデンの二大スターの確かな芝居が、東洋と西洋の間の異なる価値観を越えたロマンスに説得力を与えている。混血としての誇りと確たる意志を持つスーインを繊細に演じるジョーンズ。一方、相手のアメリカ人記者エリオットはストレートな情熱家で、ホールデンが堂々と演じる。スーインに比べるとマークは単純な人物に映ってしまうが、そこも意図的で、反則とも言えるラストの手紙によるモノローグで感動を見事にさらっていく。
<<ストーリー>>
共産軍に追われた中国からの難民が流れ込む1949年の香港。イギリス人と中国人の混血の女性医師のハン・スーインは、アメリカから取材にやってきた記者マーク・エリオットと出会った。中国で共産党員に殺された夫に愛を貫いていたハンだったが、やがて、妻帯者であるマークと恋に落ちてしまった。
混血としての誇りを持つハンは、世間的には淫らとも思われるマークとの恋について悩んだ。そして、ハンは故郷である重慶に帰って、しばらく考えることにした。だが、マークが後を追って重慶にやって来たことで、ハンは家族に結婚から許されるのだった。
香港に戻ったハンとマークは、早速結婚の準備に取り掛かった。だが、二人の幸せな日々は、束の間のものだった……。