うだつの上がらない科学者三人が結成した幽霊退治の専門家
“ゴーストバスーズ”の活躍を描くSFXコメディ。
ゴーストバスターズ
GHOST BUSTERS
1984
アメリカ
105分
カラー
<<解説>>
ダン・エイクロイドの持ち込み企画により、『パラダイス・アーミー』のアイヴァン・ライトマンがメガホンを執ったファンタジー・コメディ。主演と脚本を兼ねるのはダン・エイクロイド。ライトマンが製作した『アニマル・ハウス』で脚本を担当していたハロルド・レイミスも脚本と主演を兼任。もう人の主演して、『パラダイス・アーミー』のビル・マーレイを起用。彼の知名度は本作への出演で高まった。
幽霊現象との戦いを描くというオカルトをベースとした物語だが、幽霊に戦いを挑むのは、大学で博士号を得た科学者たち。超常現象に科学で挑むというオカルトの常識を打ち破った設定は斬新。登場する幽霊も湿っぽく恐ろしいものではなく、ポップなユーモラスなイメージにしたところも子供を中心に受けた。また、ノリの良いロック調の主題歌、ゴーストバスターズのロゴ、つなぎにバックパックを背負ったバスターズのスタイル、マシュマロマンのキャラクターなど、作品を印象付けるモチーフの数々が秀逸。未だにパロディが絶えず、グッズも売れ続けるという、興行以外にも商品として大成功を収めた作品である。
幽霊退治をSFXを駆使して描いた活劇であるが、その一方で、大学という狭い世界でくすぶっていたさえない男たちが、世間に出て行く姿を描いた、ちょっと遅れてきた青春サクセスストーリーとして観ても面白い。実は、そちらの方が真のテーマと言ってもいいのではないだろうか。良い年をして、幽霊の捕獲などという、見果てぬ夢を追いかけつづける主人公三人のダメっぷりがしょっぱいが、どこか憎めなく、応援したくもなる。誰の理解も得られない彼らが、幽霊退治のプロとして、次第に世間の人々から一目置かれる存在になっていく様は、主人公たちに感情移入できれば、感動できるはず。
本作とその続編で大ヒットを飛ばした後、ライトマン監督はヒットメーカーとなったが、良くも悪くも本作のような作品を求められ、ちょっと変わった設定のライトコメディばかりを手がけるようになっていく。このジャンルの第一人者になった現在でも、本作を引きずっているようで、2001年には『エボリュョーョン』という本作を焼き直したような作品を撮っている。なお、2009年現在、シリーズ三作目の企画も浮上中。
<<ストーリー>>
ピーター、レイモンド、イーゴンの三人は、コロンビア大学で超常現象を研究する科学者。研究好きで超常現象オタクのレイモンド、イーゴンの二人に対し、ピーターは研究よりも女の子を口説くことのほうに熱心だった。
ある日、図書館でゴーストの目撃されたという報せを受けたピーターたち三人は、現場に急行。そこで三人は、生まれてはじめて本物の女性のゴーストを目の当たりにした。興奮するあまり、思わず素手で捕まえよとするが、逆ににゴーストに驚かされ、一目散に逃げ出すのだった。
ともかく、幽霊を捕獲するという夢の実現に向け、確かな手ごたえを感じたピーターたち。だが、そんな矢先、三人の研究を研究と認めていない大学側がついに業を煮やし、ピーターたちは大学から追い出されてしまうのだった。
かくして、研究室から世の中に出ることになったピーターたちだったが、いまさら一般企業に就職する気もない。だが、ゴースト捕獲装置を作るために資金を捻出しなければならなかった。三人は、レイモンドの親の遺産を担保に金を借りた。その金でかつて消防署だったボロ屋を借り、そこに事務所を構えた。ゴースト退治の専門家、その名も「ゴーストバスターズ」。
テレビで広告までうっても、しばらく客のくる気配がなかったが、ついにある女性からゴーストの調査の依頼がきた。ピーターは、デイナというその女性の暮らす高層アパートのペントハウスを訪ねた。冷蔵庫の中から、うめき声が聴こえてきたので、ドアを開けてみると、そこに宇宙のような空間が広がっていたというのだが、ピーターが見たところ、特に異常はなかった。
アパートの件は、仕事になりそうもなかったが、ピーターは、ゴーストよりもデイナをものにしようとすることで頭がいっぱい。そんな時、ホテルからのゴースト退治の依頼が飛び込んできた。ピーターたちは、出来たてのゴースト捕獲装置背負い、ホテルに急行した。
ホテルの十二階に昔からいたというそのゴーストは、緑色の下品な姿をしたすばしっこいやつだった。ピーターたちは、宴会場にゴーストを追い詰め、捕獲装置のレーザーを乱射。宴会場を滅茶苦茶に壊しまうが、ゴーストの捕獲に無事成功したのだった。
ホテルで大捕り物でマスコミに取り上げられ、注目を集めたピーターたちは、ゴースト退治に引っ張りだこに。寝る間もないくらいの忙しさになるが、その一方、彼らの活躍を好ましく思っていない人間もいた。ベックという環境保護局の役人がバスターズの事務所に訪ねてきたのだ。ピーターは、ゴーストの保管装置を見せろと迫るベックの尊大さにムカつき、彼を追い返した。
ウィンストンという新従業員を迎え、ますます好調のバスターズ。ところが、イーゴンにはちっょとひっかかることがあった。測定器がこのニューヨークに恐ろしく巨大な霊的エネルギーが近づいていることを示していたのだ。また、近頃やけにゴーストの出現が多いことを妙に思っていたレイモンドも、聖書の黙示録の一節を思い出していた。次々と死者が蘇るこの状況、さては最後の審判が近づいているのか。
ピーターの活躍をテレビで見て、彼に好感を持つようになったデイナは、デートの申し込みを受けた。デートの準備をしていたデイナは、突然まばゆい光を発したバスルームに吸い込まれていった。同じ頃、アパートの屋上では、ガーゴイルの中から犬の怪物が出現した……。
<<スタッフ>>