部族に伝わる聖なる槍を武装強盗に奪われたインディアンの青年。
彼は、武装強盗におとり捜査で潜入していた警官と協力し、敵を追い詰めていく。
レネゲイズ
RENEGADES
1989
アメリカ
106分
カラー
<<解説>>
『ヒドゥン』でエイリアンと警官がタッグを組む異色のSFアクション撮ったジャック・ショルダーが、今度はインディアンと警官のコンピの活躍を描いたB級バディ・ムービー。主演は、前年に「ヤングガン」シリーズで共演したばかりのキーファー・サザーランドとルー・ダイアモンド・フィリップス。キーファーがはみ出し者の警官を、ルーが東洋的な顔立ちを生かしインディアンの青年を演じる。
父を裏切った悪徳警官を追う警官と、部族に伝わる槍を強盗団から取り戻そうとするインディアン。利害がからむ二人が共同戦線を張り、強盗団のボスとそれと癒着する悪徳警官を追い詰めていくまでを描く物語。アクションは平凡でとりたてて見どころはないが、西部劇を意識した雰囲気は良い。ドラマに関しては、主人公二人が最後までドライな関係も保ち続けたり、唯一のヒロインをあっさりと退場させるなど、情に訴えないクールなものとなっている。
<<ストーリー>>
規律を守らず、署内で厭われていたフィラデルフィアの若い警官のバスター。彼の父は汚職警官だった。だが、バスターは、父には仲間がいて、その仲間に裏切られた父だけが罪を問われることになったのだと、強く信じていた。
バスターは長い間、犯罪者のマリノと癒着する悪徳警官を上司にも秘密で追いつづけていた。休職中、バスターは身元を隠し、マリノ率いる宝石強盗に協力者として接触していた。悪徳警官の尻尾を掴むための危険なおとり捜査だった。だが、バスターは悪徳警官の情報は得られなかったばかりか、マリノたちの強盗に同行させられるはめになった。
犯行の最中、マリノは無抵抗な宝石店の店員を射殺。「話が違う」と思わず抗議したバスターは、マリノから疑いの目を向けられることに。通報で駆けつけた警察から逃げ、美術館に飛び込んだマリノは、ガラスケースの中の一本の槍に目を留めた。それは、インディアン・ラコタ族に伝わる聖なる槍。部族の魂といえるものだった。インディアンの青年ジョージは、槍に手を伸ばしたマリノを止めようとし、撃ったれてしまった。
マリノは槍を奪い取ると、美術館を出てくるまで逃走。ジョージの弟ハンクは、マリノたちを追った。マリノに運転を命じられたバスターは、うまくパトカーをまくことが出来た。安全な場所にやってきたところで、バスターはマリノに反抗するが、逆に背中から撃たれてしまった。マリノが仲間と去った後、わき腹に重傷を負い動けなくなったバスターはハンクに見つかった。
ハンクは槍の唯一の手がかりであるバスターをモーテルに匿った。バスターは、ハンクの父の呪術により一命を取り留めた。その夜、ジョージが死んだ。ハンクは槍を取り戻し、兄の敵も討つことを父に約束した。一方、マリノはバスターが警官だと気付くと、警察より先に見つけ出して殺すよう手下に命じた。
殺し屋がモーテルにかぎつけられたため、ハンクはバスターを自宅に移し、マリノの居場所をつきとめるのに協力するよう求めた。バスターは隙を見て逃げようとするが、ハンクは一筋縄でいかない男で、おとなしく彼に従うことに。マリノを追い詰めるのにまず必要なのは銃である。バスターとハンクは売人を騙し、銃を奪い取るが、騒ぎを聞きつけた警官に見つかってしまった。
警官から報告を聞き、バスターがマリノの犯行に加わっていたことを知った部長は、バスターを逮捕するよう部下たちに指示を出した。それを聞いたバスターの上司のフィンチ警部補は、マリノの牧場を訪ね、バスターから手を引くよう話をつけに向った。実は、フィンチこそ、バスターの追う悪徳警官だったのだ。だが、マリノはフィンチの警告を無視した……。