市民自警団の育成に乗り出したポリスアカデミー。
お馴染み卒業生たちにハリス元教官も加わり、ハチャメチャな訓練が始まる。

ポリスアカデミー4
市民パトロール

POLICE ACADEMY 4
CITIZEN ON PATROL

1987  アメリカ

88分  カラー



<<解説>>

おバカ・コメディシリーズの第4弾。アカデミーの卒業生たちが、自警団を組織するため一般市民を特訓することになり、そこで巻き起こる騒動を描く。警察官の育成という話ではないが、変人たちがアカデミーに集まり、卒業生と上官との小競り合のコメディがあり、最後は大捕り物でシメる、という内容は、一作目、三作目とさほど変わらない。
訓練生のキャラクターのおかしさは、「ポリアカ」シリーズのお楽しみのひとつだが、本作の訓練生である市民の個性は、残念ながら前作までと比べると弱い。訓練生のキャラクターはふるわないが、レギュラー・メンバーの活躍は相変わらずの楽しさ。本作の目玉は、なんといっても、元教官のハリス警部補改め、ハリス署長の復活である。この人は、「ポリアカ」では、忘れてはならない名悪役だ。前作のマウザーは登場しないが、その部下だったプロクターはマヌケぶりが好評だったのか、ハリスの腰巾着として残留。ハリスの忠実な部下だった二人組みのうち、コープランドは姿を見せている。お馴染みの卒業生の面々も健在。ファクラー夫妻は見当たらないが、パート2からのレギュラー、ゼッドとスイチャが強烈なキャラで笑わせてくれる。前作で初登場した謎の東洋人ノガタも、忘れたころに登場。残念ながら、マホーニ役のグッテンバーグは本作でシリーズから卒業ということになってしまった。
訓練生の個性を出せず、レギュラー・メンバーだけにギャグを演じさせてしまったことに関しては、本作の監督ジム・ドレイクのコメディのセンスに疑問が湧いてくる。しかし、どうやら、ドレイクは、コメディよりもアクションのセンスのほうが優れているよだ。クライマックスの捕り物でコメディ映画の枠を出たスカイ・アクションをやってのけるのである。卒業生のふだんの能天気と、クライマックスでのヒロイックな活躍のギャップがたまらなく愉快。散々おバカをやった後、最後にド派手なスタントアクションを見せる、というのは、シリーズのパターンになったようだ。



<<ストーリー>>

定年間近のラサード校長が、長年の夢であった計画を卒業生たちに発表した。警察と市民の新しい関係という理想を目指した市民自警団(Citizen On Patrol)、略して“COP”の育成である。
ラサードが国際セミナーに出席のためロンドンへ主張している間、COPの訓練は卒業生たちに任せられることになった。だが、校長の計画を苦々しく思う者がいた。それは、かつて、アカデミーの教官をしていたハリス署長である。
ある日、スケボー少年のアーニーとカイルを追いかけていたハリスは、COPの公聴会を開いていたマホーニと再会。マホーニは、裁判にかけられたアーニーとカイルを救うため、二人をCOPの訓練に参加させることを判事に提案した。
軍事マニアのフェルドマン夫人をはじめとしたCOP希望者の市民が集まり、訓練が開始されることになった。ところが、最悪なことに、出張したラサードの代理校長としてアカデミーにやってきたのは、あのハリスだった。
ハリスはラサードの計画をコケさせるべく、部下プロクターと共に訓練の邪魔をするつもりであった。だが、ハリスたちの妨害作戦は、マホーニたちの過激ないたずらによって、その都度、打ち砕かれるのだった。
そのころ、ロンドンではラサードと共にセミナーに出席していたハースト長官が、世界各国の警察関係者にCOPの活動を見せるため、彼らを市へ招待する約束をしていた……。