麻雀の会“ジョイ・ラック・クラブ”に集まる四人の中国女性。
彼女たちの波乱に満ちた半生を描く。
ジョイ・ラック・クラブ
THE JOY LUCK CLUB
1993
アメリカ
139分
カラー
<<解説>>
中国系の作家エイミ・タンの同名小説の映画化。監督は、後に『スモーク』を手がける同じく中国系の監督ウェイン・ワン。中国からアメリカに渡った四人の女性と、アメリカ育ちのその娘たちの波乱に満ちた半生を描くメロドラマ。プロローグとエピローグと3×2=6つのエピソードからなる。
中国で過酷な結婚生活を送り、アメリカに逃げるように渡ってきた母たちは、せめて子供だけにはと、娘たちをアメリカ式に育てていく。しかし、娘たちも母の同じ運命をなぞるように結婚で苦労を重ねていく。時代や生活様式が変われど、不思議な因縁からは逃れられない彼女たち。どんなに辛くても気丈に振舞うしたたかな女性の姿を描いていく。
『スモーク』のように同時進行ではないが、様々なエピソードを積み重ねとこで、それらに共通するテーマを間接的に浮かび上がらせていく手法は確立している。各エピソードはそれほど重くないが、過去の封建的な中国と現在の奔放なアメリカのギャップが面白いし、ディテールも豊かさも良い。エピソードのほどほどの質と量が見ごたえに繋がっていて、二時間強を飽きさせないし、充足度も高い。また、テーマを直接的に語らない分、ドラマがくどくないため、メロドラマ嫌いでも楽しめるのではないだろうか。
<<ストーリー>>
中国からアメリカへ渡った四人の女性、リンド、アンメイ、インイン、スーユアン。彼女たちは麻雀の会“ジョイ・ラック・クラブ”を作り親睦を深めていた。四人には、それぞれアメリカで育った同じ年頃になる娘がいた。スーユアンが死んだ後に開かれたクラブで、スーユアンの娘のジューンは、母が中国を出る時に戦乱で捨ててしまった双子の姉が生きているということをはじめて知らされた。リンドたちはそれぞれに波乱に満ちた過去を振り返った――
まだ少女の頃に望まない結婚をさせられたリンド。夫の浮気に苦しめられたインイン。富豪の多数の妻の一人におさまっていた母親を見て育ったアンメイ。過酷な結婚生活を離れてアメリカに渡った後、今度は彼女たちの娘たちが母と同じ苦しみを経験していく……。
<<スタッフ>>