トルコのトピカピ宮殿所蔵の宝刀を狙う女盗賊の一味が、
厳重なセキュリティ・システムに挑む犯罪コメディ。
トプカピ
TOPKAPI
1964
アメリカ
119分
カラー
<<解説>>
『日曜はダメよ』の監督・主演コンビで当時、恋人同士(後に結婚)だったジュールス・ダッシンとメリナ・メルクーリによる怪盗映画。道楽的に盗みをはたらく泥棒一味の活躍をユーモラスに描いていく。メルクーリ扮するゲラゲラ笑いの色情狂の女盗賊が強烈なインパクトを与える他、個性的な一味の面々を見ているだけで楽しい。作品のキーとなる宝剣のようなゴージャスさが楽しめる作品だが、舞台がトルコというせいもあってか、アメリカ映画にして、ヨーロッパ的な気品ある雰囲気も魅力の作品だ。
肝心の盗みの場面の緊張感の高さは、半世紀近く前の作品と思ってあなどることはではない。現場に忍び込んでから宝を盗み出すまで、大胆かつ鮮やかな盗みのテクニックを省略なしに逐一見ていくクライマックスは息を飲まされる。有名な宙づり作戦のくだりは、『ミッション:インポッシブル』の一場面のもとになったと言われているが、ゲーム感覚の窃盗や登場する数々の小道具を見る限り、「ルパン三世」など様々な“怪盗もの”に多大な影響を与えているようである。
<<ストーリー>>
エメラルドに目のない女盗賊エリザベスは、トルコ・イスタンブールのトピカピ宮殿にあるスルタンの短剣を狙っていた。エリザベスは短剣を盗み出すため、恋人のウォルター、それから、ジョゼフ、セドリック、ハンス、ジュリオを仲間に従えた。
一味は観光客を装い、イスタンブールに向かった。エリザベスたちは港にいたチンケなペテン師のシンプンを騙し、犯行に使う武器を隠した自動車を運ばせた。だが、シンプソンは、国境の検問で武器が見つかったことで、軍事パレードを狙うテロリストとして任意同行を受けた。シンプソンは逮捕を免れるため、トルコ諜報局に協力してエリザベスたちをスパイすることになった。
エリザベスたちは着々と窃盗の準備を進めていた。一味は、シンプソンがスパイになったとは知らず、彼の腕力を見込んで仲間に引き入れることにしたが……。
<<スタッフ>>