会社をクビになったスポーツ・エージェントが、
たった一人の選手と共に再出発する姿を描くドラマ。

ザ・エージェント

JERRY MAGUIRE

1996  アメリカ

139分  カラー



<<解説>>

トム・クルーズ主演、冠詞付の簡潔な邦題、そして、主人公がスポーツ・エージェント。とくれば、プロ・スポーツ界のドロドロした内幕を暴くセンセーショナルな内容を想像してしまう。しかし、実際のところは、スポーツ・エージェントの再出発をやさしい語り口で綴った癒し系のヒューマン・ドラマである。
金儲け仕儀のエージェント会社に疑問を抱いていた主人公が、ある日良心に目覚めて会社を辞めることに。主人公は、自分を信じてついてきてくれた一人のフットボール選手と子持ちの計理嬢と新たな一歩を踏み出す。だが、仕事でも私生活でも困難な道が待ち受けていた――という物語。エージェントと選手が二人三脚で成功を掴もうとする様は感動的であると共に、スポーツへの愛情が感じられる。主人公を支えるヒロインとのロマンスもメロドラマに陥らず、非常に真摯に描かれている。地味な題材ながら、手を抜かない丁寧な脚本と演出で観せていく作品だ。
主演のトム・クルーズが、情熱ばかりが先走った理想家の主人公をさわやかに好演。トム嫌いの人にもぜひオススメしたい作品だ。共演のキューバ・グッディング・ジュニアの芝居も素晴らしく、外向的には典型的な黒人スポーツ選手、家では奥さんにめっぽう弱いという人間味溢れるキャラクターをユーモラスに演じている。



<<ストーリー>>

やり手のスポーツ・エージェントのジェリー・マグアイアは、選手の年俸だけを重要視する会社のやり方に疑問を持っていた。悩んだ末、ジェリーは会社に提言書を提出するが、あっけなくクビになってしまった。
会社を去るジェリーについてきたのは、フットポール選手のロッド・ティドウィルと、彼の提言書に感動した計理係のドロシー・ボイドだけだった。ロッドやドロシーと共に再出発したジェリーは、フットボールのスター選手フランクを獲得しようとするが、かつての同僚ボブ・シュガーに横取りされてしまった。
もうあとがなくなったジェリーは、ロッドにチームと長期契約を結ばせるという安全策を考えていた。だが、家族を養わなければならないロッドも引退まで時間がなかった。そこで、ジェリーは、ロッドに短期契約を結ばせ、フリー・エージェントを狙うことになった……。



<<キャスト>>

[ジェリー・マグアイア]
トム・クルーズ

[ロッド・ティドウィル]
キューバ・グッディング・ジュニア

[ドロシー・ボイド]
レニー・ゼルウィガー

[エブリー・ビショップ]
ケリー・プレストン

[フランク・クッシュマン]
ジェリー・オコンネル

[ボブ・シュガー]
ジェイ・モーア

[ローレル・ボイド]
ボニー・ハント

[マーシー]
レジーナ・キング

[レイ]
ジョナサン・リプニッキ

[ビル・ドゥーラー]
マーク・ペリントン

[リック]
ドナル・ローグ

[キャシー・サンダース]
アンジェラ・ゴーサルズ

[レモ夫人]
クリスティーン・キャヴァノー

[イーサン・ヴァルヘレ]
エリック・ストルツ

[トレーナー]
ジェリー・ジースマー

[エレベーターの女]
アンドレア・フェレオル

[前のガールフレンド]
ルーシー・アレクシス・リュー

[本人]
カタリーナ・ヴィット



<<スタッフ>>

[監督/脚本]
キャメロン・クロウ

[製作]
ジェイムズ・L・ブルックス
リチャード・サカイ
ローレンス・マーク
キャメロン・クロウ

[共同製作]
ブルース・S・パスティン
ジョン・D・スコフィールド

[撮影]
ヤヌス・カミンスキー

[音楽監修]
ダニー・ブラムソン

[美術]
スティーヴン・ラインウィーヴァー

[編集]
ジョー・ハッシング

[衣装デザイン]
ベッツィ・ハイマン

[キャスティング]
ゲイル・レヴィン