地球爆発の影響で2000年前の地球にやってきたコーネリアスたち。
人間は将来脅威となるコーネリアスたちを抹殺しようとする。
シリーズ第3弾。

新・猿の惑星

ESCAPE FROM THE PLANET OF THE APES

1971  アメリカ

98分  カラー



<<解説>>

『猿の惑星』、『続・猿の惑星』に続くシリーズ3作目。監督は後に『獣人島』のリメイク『ドクター・モローの島』で再び特殊メイクものを手がけることになるドン・テイラー。音楽は一作目のジェリー・ゴールドスミスで骨太のスコアを書いている。出演は、前2作にも出演しているロディ・マクドウォールとキム・ハンターで、本作は彼らの扮する猿人が主人公の物語となっている。
前作のラストで地球があんなことになってしまったため、続編は作りようもないかと思われたが、前作から2000年を遡った現代のアメリカを舞台としている。爆弾が爆発したショックで、猿人のコーネリアスたちの乗った宇宙船が時空を超越したという設定で、ストーリー的には前作とつながりがあるだけでなく、第一作で人間の宇宙飛行士テイラーの体験をコーネリアスたちの立場に置き換えて描いている。少々強引な手段ではあるが、見事に前2作と整合性が取れているのは良くしたものだ。
3作目にして明らかになる“猿の惑星”誕生の秘密や、猿が地球を支配することを知った人間がコーネリアスたちを抹殺しようとするサスペンスが見どころ。ただ、主人公のコーネリアたちは物語前半は隔離されいるため、室内で話し合っているシーンがほとんどである。低予算に起因するのか、前2作と較べて動きが少なく、小さくまとまった印象があり、救いようのないラストも後味が悪い。しかし、コーネリアスたちと、彼らに対して理解を示す動物学者との交流が良く描けているため、人間と動物の垣根を越えたヒューマニズム(?)の感じられる一作となっている。



<<ストーリー>>

1973年。カリフォルニア沖でロケットが発見された。軍により回収されたロケットの中から現われた宇宙服姿の三人。マスクを外した三人の正体は猿だった。コーネリアスとその妻ジーラとマイロ博士の三人は、3955年に戦争を避けて地球から脱出。だが、コバルト爆弾が炸裂したショックにより時間を逆行し、2000年前の地球に不時着したのだった。
コーネリアスたち三人は、軍の施設からロサンゼルスの動物園に移され、動物学者のルイス博士とスティービー(ステファニー)博士に監視と調査を受けることになった。コーネリアスたちは、将来、地球が猿によって滅ぼされることを知られることを人間たちに知られることを恐れ、言葉を喋らず黙っていることにした。だが、誤魔化しを嫌ったジーラは、ルイスとスティービーの前で口をきいてしまった。マイロは殺され、コーネリアスとジーラは審問会にかけられることになった。コーネリアスとジーラは、議員の質問に言葉で答え、自分たちが地球の未来から来たことを教えるが、テイラーについては知らない振りをした。
人間と友達になることを宣言したコーネリアスとジーラは、公衆の面前に出た。博物館を見学中、ジーラが倒れた。ジーラは妊娠していたのだ。大統領の科学顧問ハスレイン博士は、ジーラを介抱するついでに酒を飲ませ、タイムトラベル前の地球の様子を聞き出した。そして、2000年後に地球が消滅することを知った。ハスレインは大統領に報告し、地球を滅ぼす恐れのあるコーネリアスたちを始末することを主張した。審問会の決定により、コーネリアスたちは軍の施設で公衆の前から隔離され、ハスレインの下で地球の未来について尋問を受けることになった。
尋問を受け、コーネリアスは、人間の作った破壊的な兵器が人間を滅ぼすことになることを教え、猿が栄えるようになった経緯を明かした。数年後、謎の疫病に犬や猫のペットが滅んだ後、人間は猿ほペットとして一緒に生活するようになった。そうして数世紀が過ぎた頃、猿は人間の様々な生活の手伝いをするようになるうち、自分たちが奴隷のように扱われていることに不満をもち始めた。やがて、猿たちは団結して人間の命令を拒絶するようになった。そして、ある時、猿と人間にとって画期的な事件が起こった……。





<<スタッフ>>