年上の女性に恋をした高校生の姿を描くラブ・ストーリー。
個人教授
LA LECON PARTICULIERE
1986
フランス
90分
カラー
<<解説>>
年上の女性に憧れる少年というシチュエーションの走りとも言われている作品。もはや、ポルノの定番シチュエーションであため、『個人教授』という言葉の響きだけで、淫靡な印象を受けてしまうが、本作は淫靡な作品ではない。主人公を演じるのは、初主演となるルノー・ベルレー。相手役のナタリー・ドロンは、『サムライ』に続く二作目の出演となる。
青臭い少年と成熟した女性のシンプルなロマンスを愚直なまでにじっくりと描き、甘美な世界を現した作品。しかし、青春映画としても良質でもある。ベルレーの生々しい芝居が物語に立体感を与えていて、少年が大人へと成長していく瞬間の危うさを描ききった。主人公が原動機付き自転車で街を走り抜ける場面などの光溢れる映像も、青春の一瞬のスケッチとして効果的である。
一見、主人公である高校生が中心の物語ではあるが、女性からの視点からもさりげなく汲まれていてるところが、物語の隠れたスパイスとなっている。主人公が憧れる年上の女性は、憧れの象徴としての存在だけでなく、年下の男の子に迫られることの気恥ずかしさや、恋人を裏切る後ろめたさを抱える存在として描かれている。この表面には現われない抜き差しならない駆け引きが、恋の甘美さを引き立てている。
<<ストーリー>>
高校生のオリビエは、ひょんなことから、年上の女性フレデリックと知り合った。フレデリックは、有名なレーサーのフォンタナの恋人だった。フレデリックに恋したオリビエは、勉強を教えてもらうことを口実に、彼女に近づいていった。
フレデリックがスキー旅行に出かけると、スキー場ににはオリビエも家族と一緒にやって来ていた。その日の夜、オリビエはフレデリックの部屋に忍び込んだ。オリビエを拒んだフレデリックだったが、その夜のうちに二人は愛し合うようになった……。
<<スタッフ>>