60年代の人気テレビ・シリーズ「トワイライトゾーン」の映画版。
スピルバーグ製作の4話オムニバス。

トワイライトゾーン
超次元の体験

( トワイライトゾーン )

TWILIGHT ZONE: THE MOVIE

1983  アメリカ

101分  カラー



<<解説>>

60年代にアメリカで放映され、日本でも「ミステリーゾーン」のタイトルで放映されたテレビ・シリーズ「トワイライト・ゾーン」の映画化。製作のスピルバーグ自身をはじめ、アメリカ内外で活躍する個性的な4人の監督が短編をひとつつずつ担当したオムニバス作品である。
第一話は、被差別者として追われるハメになった差別主義者の男を描く。移民の国アメリカならではのエピソードだ。差別主義者の後ろめたさを巧みに刺激しているが、よそ者を十把一絡げに“ガイジン”としてしまう日本では少し恐さの感じ方が変ってくるかもしれない。くるくる変る場面転換が見どころ。監督はスピルバーグと共に製作を兼任したジョン・ランディス。主演のヴィク・モローが撮影中にヘリコプターの事故という悲運に見舞われて死去したことは有名。
第二話は、老人たちが夜になると子供に返るという奇跡を描く。本作ではもっともハートウォームなエピソードで、後にスピルバーグが手がけることになるテレビ映画のシリーズ「夜にも不思議なアメージング・ストーリー」の雰囲気を持っている。この手のオムニバスには、ひとつ欲しいタイプのエピソードで、全体のバランスをとっている。監督はスピルバーグ。
第三話は、超能力により家族が支配する少年を描く。いかにも先鋭的なSF短編といったエピソードだ。ポップに描こうとはしているが、とにかく訳が分からなく、観終わった後に不気味さが後を引く。筋が通らない内容は、作る側にとってリスクが高かっただろうが、この手の作品の映像化が許されるところは、オムニバスの強みと言えるだろう。監督は『ハウリング』で注目されたジョー・ダンテ。この作品に参加して以降、スピルバーグがらみの作品を多数監督した。
第四話は、飛行機の翼にいたずらをする怪物“グレムリン”を目撃した男の混乱を描く。4つのエピソードの中でもっともシンプルながら、潜在的恐怖を浮き彫りにしたという点で、もっとも秀逸なエピソードである。本エピソードを発展させたものが、スピルバーグ製作の『グレムリン』ということになるだろう。監督は、「マッドマックス」シリーズを手がけたオーストラリア出身のジョージ・ミラー。本作がハリウッド初進出作となった。



<<プロローグ>>

真夜中を走る一台の車。車内の二人の青年は、昔テレビでやっていた「トワイライトゾーン」のことを話し始めた。

<<第一話>>

差別主義者のビルが、ユダヤ人の悪口をさんざんいってからバーを出た。するとそこは、ナチス占領下のフランスだった……。

<<第二話>>

ある老人ホーム。身も心も年老いた仲間たちを見たブルームは、「遊ぶことをやめた時から、年をとり始めるのです」と言った。ブルームの提案で、ホームの老人たちは夜中に遊ぶことにした……。

<<第三話>>

見知らぬ町へドライブにやってきたヘレンは、町の少年アンソニーと出会い、彼の家に招かれることに。実はアンソニーは強力な超能力を持ち主。彼は超能力を恐れる家族を支配していた……。

<<第四話>>

心配性のバレンタインは、乗っている飛行機が墜落するのではと思いそわそわ。窓から外を見ると、翼の上に怪物が乗っかり、エンジンを壊しているところだった……。





<<スタッフ>>