自分のホテルを持つことを夢見るホテルマン。
彼のスポンサーの愛人は、彼が密かに思いを寄せる女性だった。
夢をとるか愛とるかの選択に苦しむホテルマンの姿を描くコメディ。

バラ色の選択

FOR LOVE OR MONEY

1993  アメリカ

96分  カラー



<<解説>>

マイケル・J・フォックスは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」フィーバーが一段落したあと、コメディの小品にいくつか出演。だが、それらの作品は、どうしても、「バック・トゥ…」の比較され、低い評価を与えられてしまっている。従って、「バック・トゥ…」後の作品はあまり省みられることがないが、その中でも本作は拾い物と言える作品である。
邦題からも推し量れるが、『摩天楼はバラ色に』を彷彿とさせるサクセス+プラス・コメディである。マンハッタンの一流ホテルを舞台に、大きな夢を持つホテルマンが、その夢を叶えるために大富豪に取りはかろうとするというストーリーだが、夢をかなえるのと引き換えに、主人公が密かに思いをよせる女性と大富豪の逢瀬のために部屋を貸すというシチュエーションは、現代版『アパートの鍵を貸します』。
夢をとるか愛をとるかの選択を迫られ、大いに悩む主人公の純情が印象的。豪華なホテルを舞台にしたラブ・ストーリーは洒落ているが、物語中盤のドタバタを代表とするギャグも徹底的な上、映画全体にほどよく行き届いている。サクセス・コメディとラブ・ストーリーが鮮やかにからみあい、最高に素敵で最高に可笑しい作品に仕上がっている。



<<ストーリー>>

高級ホテルで接客係の仕事をしているダグ・アイルランドは、いつかは自分のホテルを持つことを夢見ていた。ある日、ダグは、大富豪クリスチャン・ハノーバーから、彼が愛人と過ごすための部屋を手配を頼まれることに。自分の夢へ出資してもらえるチャンスだったが、クリスチャンの愛人とは、ダグが密かに思いを寄せる女性、アンディだった。
アンディをとるか夢をとるかで悩んだクリスチャン。だが、今まさに、ホテル建設のために権利を確保していた土地を、税務署の役人ドリンクウォーターから狙われていることもあったため、力強い味方となるクリスチャンに従うことにした。
ダグは、普段のホテルでの接客の仕事の合い間をぬいながら、クリスチャンとアンディの世話に大忙し。その間にも、ダグのアンディへの思いは強くなり、二人の気持ちも近付き始めていた……。



<<キャスト>>

[ダグ・アイルランド]
マイケル・J・フォックス

[アンディ・ハート]
ガブリエル・アンウォー

[クリスチャン・ハノーバー]
アンソニー・ヒギンズ

[ハリー・ウェグマン]
マイケル・タッカー

[エド・ドリンクウォーター]
ボブ・バラバン

[ジュリアン・ラッセル]
アイザック・ミズラヒ

[ヒメルマン氏]
ウド・キア

[アルバート]
サイモン・ジョーンズ

[ジーン・サルバトーレ]
ダン・ヘダヤ

[エレノア・ハノーバー]
ドナ・ミッチェル

[ウェグマン夫人]
デブラ・モンク



<<スタッフ>>

[監督]
バリー・ソネンフェルド

[製作]
ブライアン・グレイザー

[製作総指揮]
デイヴィッド・T・フレンドリー

[共同製作]
グレアム・プレイス

[脚本]
マーク・ローゼンタール
ローレンス・コナー

[撮影]
オリヴァー・ウッド

[音楽]
ブルース・ブロートン

[美術]
ピーター・S・ラーキン

[編集]
ジム・ミラー

[衣装デザイン]
スーザン・ライヤル

[キャスティング]
ジョン・S・ライオンズ