ブルックリンのイタリア系の刑事が相棒を殺した幼馴染みと対決。
セガール主演のハード・アクション。
アウト・フォー・ジャスティス
OUT FOR JUSTICE
1991
アメリカ
91分
カラー
<<解説>>
スティーブン・セガール自身が製作した主演4作目。移民問題や麻薬問題を背景に、イタリア系の刑事に扮したセガールが、殺された相棒の敵討ちのために、町を駆け巡る。舞台はニューヨークのブルックリン。その町で生まれ育った子供たちが成長し、刑事とヤクザという立場で対立。描かれるのは、町にしがみ付くように暮す移民たちが起こした事件であり、殺された者も殺した者も幼馴染みという悲惨な争いだが、設定がマンガ的なセガール映画の中では、比較的リアリティのあるハード・アクションとなった。セガールのアクションは悪人相手にはこれでもかというくらい容赦がなく、血なまぐささもいつもより増しているようだ。監督は、『ローリング・サンダー』や『ロックアップ』のジョン・フリン。物語をほぼ一日の出来事に限定し、スピーディーな展開でざっくりとみせる。犯人をどちらが先にしとめるかヤクザと競うという、タイムトライアル的な面白さもある。
<<ストーリー>>
ニューヨーク・ブルックリン。この町で育ったイタリア系移民のジーノは、正義感の強い刑事。今朝も、売春の下締めが娼婦を苛めているのを黙って見ていられず、麻薬取り引き現場を押さえるチャンスをフイにしてしまった。そんなジーノに手を焼いていた相棒のボビー・ルポが、その日の昼下がりに妻のローリーと子供の目の前で射殺された。犯人はジーノが不良時代だった頃からの彼の顔なじみのリッチーだった。
ジーノは離婚協議中の妻ヴィッキーから預かった息子のトニーと遊ぼうとしていたところ、相棒の死の報せを受けた。ジーノはトニーを帰して現場に向かった。目撃者によれば、リッチーはボビーに写真を投げつけて去っていったというが、その写真は見つからず、リッチーがボビーを殺した理由もわからなかった。だが、ジーノは、リッチーがこの町から出ないないことだけは確信していた。
現場検証を終えたジーノは、手がかりを得るため、リッチーに目をかけていた町の顔役のヴィットリオを訪ねた。ヴィットリオは、リッチーの犯行との関わりを否定し、彼の始末は自分でつけると宣言した。それに対して、ジーノは、自分が先にリッチーを見つけたら彼を殺すと告げた。
ヴィットリオと会った後、ジーノは街中でリッチー一味と鉢合わせた。ジーノはリッチー一味を車で追跡するが、振り切られてしまった。ヴィットリオは自分の顔を汚したリッチーに怒り、部下のフランキーにリッチーの殺害を指示した。
ジーノはリッチーの実家を訪ねた。リッチーのマダーノ氏は、ジーノの一家が貧困に苦しんでいた頃に援助をしてくれた恩人だった。そのため、ジーノはリッチーを殺すか逮捕しなければならないことが心苦しく、マダーノ氏にリッチーの自首をすすめた。
夜になり、ジーノはリッチーの弟のヴィニーが営む酒場を訪ねた。ヴィニーがリッチーの居所について口を割らないため、ジーノは客を巻き込み店内で大暴れをした。だが、結局、リッチーの居所は分からなかった。その頃、リッチーは知り合いのチャスの修理工場に匿われていた。
ジーノはリッチーの妹のパティの営むディスコを訪ねた。テーブルでパティを待っていると、ウェイトレスのテリーがやって来て、カクテルと一緒に“ロクサーヌ”と書かれたメモを置いていった。ジーノはパティを強引に逮捕し、次いでマダーノ氏にも豚箱に入ってもらった。だがそれは、麻薬でいかれたリッチーの暴力から二人を守るためだった……。
<<キャスト>>
[ジーノ・フェリーノ]
スティーヴン・セガール
[リッチー・マダーノ]
ウィリアム・フォーサイス
[ロニー・ドンツィガー]
ジェリー・オーバック
[ヴィッキー・フェリーノ]
ジョー・チャンパ
[ローリー・ルポ]
シャリーン・ミッチェル
[フランキー]
サル・リチャーズ
[パティ・マダーノ]
ジーナ・ガーション
[ボビー・アームズ]
ジェイ・アコヴォーン
[ジョーイ・ドッグス]
ニッキー・コレロ
(ニック・コレロ)
[ブッチ]
ロバート・ラサード
<<スタッフ>>
[キャスティング]
パメラ・バスカー
,CSA
スー・スワン
[製作総指揮]
ジュリアス・ナッソー
(ジュリアス・R・ナッソー)
[製作補]
ジャクリーン・ジョージ
[音楽]
デイヴィッド・マイケル・フランク
[衣装デザイン]
リチャード・ブルーノ
[編集]
ロバート・A・フェレッティ
,A.C.E.
ドナルド・ブロチュ
(ドン・ブロチュ)
[美術]
ジーン・ルドルフ
[撮影]
リック・ウェイト
,A.S.C.
[共同製作]
ピーター・マグレガー・スコット
[脚本]
デイヴィッド・リー・ヘンリー
[製作]
スティーヴン・セガール
アーノルド・コペルソン
[監督]
ジョン・フリン
<<プロダクション>>
[提供]
ワーナー・ブラザース
[製作]
アーノルド・コペルソン
スティーヴン・セガール