出所間近の模範囚がかつて彼に不正を告発された所長の復讐に遭う。
過酷な状況の中での囚人の孤独な戦いを描くアクション。
ロックアップ
LOCK UP
1989
アメリカ
109分
カラー
<<解説>>
スタローン主演が囚人に扮した刑務所もの。出所まであと半年で、シャバは婚約者という守るべき者がある。そんな反抗が許されないという不利な立場の中、逆恨みをした所長の理不尽な苛めに耐え忍ぶ模範囚の様子を描く。スタローンは筋肉隆々で見るから強そうな男だが、超人的なヒーローではなく、ちょっと知恵の足りなさそうな朴訥としたところが魅力である。今回の囚人という役は、そういったスタローンの魅力が十分に生かされていて、物語にリアリティを与えている。ひどい目に遭わされて歯を食いしばるスタローン。怒りを爆発させて反撃に打って出るスタローン。それらスタローンの一挙手一投足が、観客の感覚と感情に激しく訴えかる。スタローンの素とも思える演技とジョン・フリンの骨太の演出により、シンプルな内容ながら、追い詰められていく男に共感を覚え、一緒に汗を流せる作品に仕上がっている。スタローン映画が粗悪乱造気味だった当時としては、『ロッキー』、『ランボー』(共に一作目)にも通じる埋もれた佳作といえるかもしれない。
<<ストーリー>>
模範囚のレオンの刑期はあと半年の予定で、彼の出所を婚約者のメリッサが待っていた。ところがある夜、突然、レオンは強制的に別の刑務所へ移送させられてしまった。移送先の巨大刑務所で待ち受けていたのは、過去にレオンを苛めたドラムグール所長だった。レオンは以前に収監されていた刑務所から脱獄した際に、ドラムグールの横暴を告発したことがあった。
ドラムグールは過去の復讐のため、レオンを様々な手口で執拗に追い詰めていった。レオンはドラムグールの部下の看守に苛められ、さらに、ドラムグールの息のかかった牢名主のチンクにまで狙われることになった。だが、そんな生活の中でも、レオンは刑務所で出会った親友ファースト・ベースと一緒に、自動車修理の仕事に喜びを感じていた……。
<<キャスト>>
[フランク・レオン]
シルヴェスター・スタローン
[ドラムグール所長]
ドナルド・サザーランド
[マイズナー]
ジョン・エイモス
[チンク]
ソニー・ランダム
[ダラス]
トム・サイズモア
[エクリプス]
フランク・マクレイ
[メリッサ]
ダーレーン・フリューゲル
[バーデン]
ウィリアム・アレン・ヤング
[ファースト・ベース]
ラリー・ロマーノ
[マンリー]
ジョーダン・ランド
[チンクの手下]
ダニー・トレホ
<<スタッフ>>
[監督]
ジョン・フリン
[製作]
ローレンス・ゴードン
チャールズ・ゴードン
[製作総指揮]
マイケル・S・グリック
[共同製作]
ロイド・レヴィン
アダム・サイモン
[製作補]
トニー・マナフォ
[脚本]
リチャード・スミス
ジェブ・スチュアート
ヘンリー・ローゼンバウム
[撮影]
ドナルド・E・ソーリン
[音楽]
ビル・コンティ
[美術]
ビル・ケニー
[編集]
ドナルド・ブロチュ
マイケル・N・クニュー
ロバート・A・フェレッティ
バリー・B・ライラー
[キャスティング]
ジョイ・トッド