フランス革命前夜を舞台に、義賊“黒いチューリップ”と、
その弟である革命家の活躍を描くアドベンチャー・アクション。
黒いチューリップ
LA TULIPE NOIRE
1964
フランス/イタリア/スペイン
110分
カラー
<<解説>>
『太陽がいっぱい』でスターとなったアラン・ドロンがアクションに初挑戦した作品。フランス革命を背景にして、貴族と義賊の二つを顔を持つという、後にドロンが演じることになる“ゾロ”のようなヒーローの活躍を描く。原作はデュマとされているが、“黒いチューリップ”という言葉を借りだけのテーマも異なるほぼ別の物語である。
兄弟を二役で演じているところは意欲的で、マスクで顔を隠した兄と、顔も見せた弟の、どちらも凛々しく颯爽としたドロンの二つの顔を見ることが出来る。二枚目俳優としてアイドル的な人気を誇ったドロンのかっこよさが心置きなく堪能できるだけでなく、義賊の活躍とフランス革命をからめた大胆にして軽快なストーリーも楽しめる。ドロン入門としても入りやすい作品かもしれない。
<<ストーリー>>
フランス革命前夜。ギョーム伯爵には貴族とは別のもう一つの顔があった。彼は黒いマスクで顔を隠し、義賊“黒いチューリップ”として、貴族ばかりを襲っていた。ある日、ギョームは、“黒いチューリップ”の正体を確かめようとする憲兵隊長ラ・ムーシュと対決し、頬に傷を負わされてしまった。人前で素顔を見せられなくなったギョームは、自分の身代わりとして、弟のジュリアンを呼びつけた。
兄弟は瓜二つで誰も見分けられなかったが、二人の性格は正反対だった。ジュリアンは自由主義の理想に燃え、革命を目指していたが、一方のギョームは自由主義には興味がなく、義賊としての活動も自由のためでなく自分のためにやっていた。宮廷で革命派を倒すために軍隊をパリに向かわせるという計画を耳にしていたジュリアンは、兄に一緒に戦ったくれるよう協力を求めた。だが、ギョームは弟の頼みをすげなく断わった……。
<<キャスト>>
[ジュリアン/ギョーム・ド・サン・プルー]
アラン・ドロン
[カロリーヌ・プランタン]
ヴィルナ・リージ
[ラ・ムッシュ]
アドルフォ・マルシリャチ
[侯爵夫人]
ドーン・アダムス
[侯爵]
エイキム・タミロフ
[リセット]
ローラ・ヴァレンツエラ
[警察署長]
ジョルジュ・リゴー
[プランタン]
フランシス・ブランシュ
[殿下]
ロベール・マニュエル
<<スタッフ>>
[監督]
クリスチャン=ジャック
[製作]
アンリ・ジャンソン
[原作]
アレクサンドル・デュマ
[原案]
マルチェロ・チョルチョリーニ
[脚本]
ポール・アンドレオータ
クリスチャン=ジャック
アンリ・ジャンソン
[台詞]
アンリ・ジャンソン
[撮影]
アンリ・ドカエ
[音楽]
ジェラール・カルヴィ
[美術]
リノ・モンデリニ
ラドミラ・ゴーリン