殺害を計画していた妻が誘拐されてしまった。
事件は警察から殺人鬼までをも巻き込みとんでもない方向へ。
抱腹絶倒の犯罪コメディ。
殺したい女
RUTHLESS PEOPLE
1986
アメリカ
93分
カラー
<<解説>>
コメディ集団“ZAZ”の作品。小ネタの連発で畳み掛けた『裸の銃を持つ男』は、とにかくくだらなかったが、本作は、ストーリー展開で笑わせるスクリューボール・コメディ秀作。ダニー・デビートの毎度おなじみのダメっぷりや、ベッド・ミドラーの怪物妻ぶりが楽しいが、そんなことよりも、とにかく二転三転するストーリーが展開が最高。多少強引な上に込み入った話だが、巧妙でスムーズな語り口で物語にぐいぐい引き込んでいく。そして、あれよあれよといううちに大団円。アクション・シーンがなくても、ジェットコースター・ムービは作れるのである。物語のキーワードは“勘違い”。劇中、電話をするのシーンがたびたび出てくるのだが、お互い勘違いしたままのトンチンカンな会話は爆笑必死だ。
<<ストーリー>>
デザイナーとして成功したサムは、莫大な遺産を相続した妻バーバラが邪魔になり、彼女の殺害を計画。そのことを愛人のキャロルに話した。だが、バーバラは、サムにアイデアを盗まれたデザイナーの卵サンディと、その恋人ケニーによって誘拐されてしまった。
一方、キャロルはサムの殺人の証拠をつかんで、彼を強請ろうと企んでいた。だが、キャロルが恋人のアールを使って撮らせたビデオには、サムの犯行現場ではなく、まったく別の男の浮気現場だった。キャロルは中身を確認せずにビデオ・テープをサムに送りつけるが、ビデオを見たサムに開き直られることに。
サムに殺されると思いつめたキャロルは、慌てて警察署長にテープを送り、サムを逮捕するよう要請した。だが、アールが撮影してきたのは、他ならぬ署長の浮気現場だった。ビデオを見て仰天した署長は、サムの家を強制捜査。誘拐犯から要求された身代金が1万ドルに値下がりしても、まったく払おうとしていなかったサムは、署長から狂言誘拐並びに妻殺害容疑をかけられ、逮捕されてしまった。
その頃、バーバラは人質という立場も考えず、言いたい放題、やりたい放題だった。サンディとケニーは、わがままなバーバラに悩まされていたが……。
<<スタッフ>>