金持ちとの結婚から逃げてきた流浪の女。
世を捨て孤島で独り暮しをしている変わり者の男。
ひょんなことで出会った二人のラブ・コメディ。
うず潮
LE SAUVAGE
1975
フランス/イタリア
103分
カラー
<<解説>>
モンタンとドヌーヴ、スター共演作。旅暮らしの女と島暮らしの男。性格は正反対だが、一般社会からのはみ出し者という共通点のある二人の奇妙な関係を、美しい海の景色をバックに描く。ロマンスが喧嘩からはじまるというラブ・コメディの典型パターンは単純だが、いかにもフランスらしい楽天さで楽しませてくれる作品だ。
島でのこだわりの生活を乱されることを嫌いながらも、奔放な女性に惹かれるモンタン。旅先のクラブで出会うような俗物に飽き、真の男性を求めるドヌーヴ。そんな設定はだいぶ浮世離れしているが、さすがスター共演。スターのオーラが無茶な設定も安心して観せてくれる。その結果、とても面白作品となったが、地味な題名のせいで損をしているようだ。
<<ストーリー>>
流れ者の女ネリーは、旅先のベネズエラで出会った金持ちビットリオと結婚することになった。だが、結婚式の直前、気まぐれで逃げ出しまった。
ネリーは旅費を得るため、友人のアレックスからたロートレックの絵をくすねると、たまたまホテルの隣りの部屋にいたサンダースという男に売りつけようとした。その時、ビットリオがネリーを追ってきた。ネリーはサンダースを巻き込み、二人で追っ手から逃げることにした。
ビットリオをまいた後、サンダースは、パリに行くというネリーを空港まで無事に送った。そして、サンダースは自分の暮している孤島へ帰ってくるが、なんとそこにはネリーが待っていた。ネリーはロートレックの絵のせいで、国外に出ることが出来なかったのだ。
島で孤独を楽しんでいたサンダースは、ネリーを島から追い出そうとした。だが、ネリーはそれに反発し、サンダースの船を沈没させてしまった。怒ったサンダースは、勝手に居付いたネリーを家から締め出した。ところが、サンダースの本名がマルタンであることや、彼が香水の開発者で、さらに会社の社長であることや、その会社と妻から逃げてここに隠れている最中であることが知られてしまった……。
<<キャスト>>
[サンダース(マルタン)]
イヴ・モンタン
[ネリー]
カトリーヌ・ドヌーヴ
[ビットリオ]
ルイジ・ヴァンヌッチ
[アレックス]
トニー・ロバーツ
[マルク]
ボボ・ルイス
[ジェシー]
ダナ・ウィンター
[コレマン]
ヴァーノン・ドブチェフ
[リベイロ]
ルイス・ヘラルド・トバール
<<スタッフ>>
[監督]
ジャン=ポール・ラプノー
[製作]
レイモン・ダノン
ジャン=リュック・オルミエール
[製作総指揮]
ラルフ・ボーム
[脚本]
ジャン=ポール・ラプノー
ジャン=ルー・ダバディ
エリザベート・ラプノー
[撮影]
ピエール・ロム
[音楽]
ミシェル・ルグラン
[美術]
マックス・ドゥーイ
[編集]
マリー=ジョセフ・ヨヨット
[衣装デザイン]
カトリーヌ・ルテリエ