モロッコにおける外人部隊(レジョネア)の戦いを描く戦争アクション。
レジョネア
戦場の狼たち
LEGIONNAIRE
1998
アメリカ
98分
カラー
<<解説>>
ジャン=クロード・ヴァン・ダムが主演だからと言っても、例のごとくテロリストを叩きのめすような映画ではない。20年代のマルセイユを舞台したギャングもの? かと思いきや、舞台は北アフリカに移り、多国籍外人部隊の戦いを描がメインの話となる。クラッシックの名画『モロッコ』や『外人部隊』にインスパイアされたと思われる内容であり、主演のヴァン・ダムが製作・原案も兼ねた意欲作となった。監督は『ランボー3 怒りのアフガン』のピーター・マクドナルド。砂漠の向こうに騎馬隊が――という『ランボー3』っぽいシーンがあったりなかったり。
ヴァン・ダム主演と言うと、どうしても、お気楽なアクション至上の作品が想像されてしまう。だからかもしれないが、兵士たちの友情物語の中に戦争の矛盾を描くという、意外にもシリアスなドラマが、思いの他、感動させられたりする。ヴァン・ダムばかりが目立つのではなく、彼以外の周りの兵士たちが活き活きと描かれているのも良い。ただ、アクションは格闘より戦闘がメインであり、主な武器も拳ではなく銃なので、期待されるスーパー・ヴァン・ダミング・アクションはあまり炸裂していない。その点に関してはファンに不評だったようだ。本国の公開より3年遅れで本邦公開されたというのには、そういうワケがあったのかもしれない。
<<ストーリー>>
1925年のマルセイユ。敵なしのボクサー・アランは、マフィアのドン・ガルカーニから賭け試合での八百長を強要された。だが、アランは試合中にガルカーニを裏切り、対戦相手をノックアウトした。
相棒のマキシンと試合会場を飛び出したアランは、ガルカーニの愛人になっている恋人のカトリーナと落ち合い、アメリカに逃亡する予定だった。だが、カトリーナはガルカーニの人質にとられ、マキシンも追っ手によって撃ち殺されてしまった。絶望したアランは、ちょうど目に入った隊員募集の張り紙を頼りに、外人部隊の事務所に逃げ込んだ。一方、逆上したガルカーニはアランの殺害を手下たちに命令した。
外人部隊に入隊したアランは、北アフリカのモロッコの訓練所に送られた。彼はそこで、婚約者の父親を見返すために入隊したイタリア人グイド、アメリカでの黒人差別に嫌気が差して入隊してきたルーサー、そして、ギャンブルで身を持ち崩したイギリス兵マッキントッシュと出会った。
外人部隊がモロッコに派遣された目的は、ヨーロッパの侵略から土地を守ろうとするギフ族の軍隊の殲滅だった。ギフ族はリーダーのロルフの下で高度に組織化されており、その戦力の前に苦戦した外人部隊は、すでに一万余りの犠牲者を出していた。
司令官のスタインカンプ曹長は、兵士たちに死を恐れずに戦うことを教え、実戦では自害のための弾を一つ残すことを義務付けた。アランたち兵士は互いに励ましあいながら過酷な訓練を耐えた。そして、いつしか友情の絆で結ばれていった。
やがて、訓練を終えたアランたちの隊は実戦に配備された。砂漠の中を行進していた時のこと、グイドが隊列から脱落してしまった。アランは、グイドを見捨てようとするスタインカンプに抗議。自らグイドを背負い行進を続けた。しばらくして、隊はギフ族と遭遇し、激しい戦闘になった。グイドは憎んでいたスタインカンプを庇い、戦死した。
そもそも、アランが外人部隊に入ったのは、恋人と親友を失った絶望から「死んでもいい」と思ったからだった。だが、兵士の中に自分を殺しにやって来たガルカーニの手下である二人組を見つけたときから、生きる張り合いを見出した。さらに、カトリーナの生存への望みも持った……。
<<キャスト>>
[アラン・レフェヴル]
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
[スタインカンプ]
スティーヴン・バーコフ
[リューション・ガルガーニ]
ジム・カーター
[マッキントッシュ]
ニコラス・ファレル
[ルーサー]
アドウェール・アキノエ=アグバエ
[カトリーナ]
アナ・ソフレノヴィック
[グイド・ロセッティ]
ダニエル・カルタジローン
[マキシン]
ジョセフ・ロング
<<スタッフ>>
[音楽]
ジョン・アルトマン
[製作]
エドワード・R・プレスマン
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
ピーター・マクドナルド
[原案]
シェルドン・レティック
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
[脚本]
シェルドン・レティック
レベッカ・モリソン
[監督]
ピーター・マクドナルド