<<ストーリー>>
1863年のジョージア州ゲーンズビル。南軍の隊列がたった一人の男に襲撃され、軍資金が強奪された。男はなぜか、その当時の科学では考えられないほど現代的な銃を手にしていた。
1994年のワシントン。上院監視委員会で、アトレイ上院議員がある極秘の事実を発表をした。ついに人類はタイムマシンの発明を発明した。マシンは過去だけにしか遡れないものの、悪用されれば人類滅亡の危険性もありうる。既に、マシンが悪用され、南北戦争時代の金塊が現代に奪い去られるという事件も報告されていた。そこで、アトレイ議員は、時間を管理し治安を維持するための組織“TEC”の設立を提案した。“TEC”の隊長にはワシントン市警のマトゥーザック警視が、そして、責任者にはマッコム上院議員が指名された。
“TEC”に志願した若き警官マックス・ウォーカーは、美しい妻メリッサと新しい家で結婚生活を始めたばかりで、幸せの絶頂だった。ある雨の夜、マックスはメリッサから大事な話があると告げられた。その夜は二人きりで過ごすつもりだったが、突然、夜勤の呼び出しがかかり、マックスは出かけなければならなくなった。マックスが家を出ようとした時だった。二人組みの男が家の前で待ち伏せていて、マックスの胸を銃で撃った。防弾チョッキのおかげで助かったマックス。だが、男たちに襲われるメリッサの姿が窓に見えた次の瞬間、家はマックスの目の前で木っ端微塵に爆発してしまった。
1929年10月24日のウォール街。株価の暴落で自殺者がたえない殺伐としたこの町で、一人余裕の表情をしている証券マンがいた。その男、アトウッドは、オフィスに出勤してくるや、おもむろに2004年の日付を新聞を広げ、業績の良くなる企業の株を次々と買っていった。その時、何もない空間から突然、マックスが姿を現した。アトウッドはかつて、マックスの相棒として活動していた“TEC”の隊員だった。
マックスに取り押さえられたアトウッドは、この時代で株を買っているのが、黒幕であるマッコム議員の命令であることを白状した。その上、“TEC”の隊員の多くがマッコムの手下だというのだ。マックスはマッコムのことを証言させるつもりで、アトウッドを2004年に連れ帰った。だが、裏切れば時を遡って家族まで殺されることを恐れたアトウッドは、裁判では何も釈明しなったため、死刑が迅速に執行された。アトウッドは1929年に送り戻され、ウォール街のビルから転落死した。
アトウッドの処刑直後、マックスは、“TEC”の査察にやってきたマッコムと対決することに。マッコムは、隊員の犯罪急増を理由に“TEC”解体論に同調しているが、そのことには裏があるようだ。今や大統領候補であるマッコムには膨大な選挙資が必要だった。“TEC”を解体してしまえば、タイムマシンを独占し、各時代で好き放題出来るという魂胆なのだろう。マックスはマトゥーザックにマッコムのことを訴えるが、簡単には信じてもらえそうになかった。
あの夜の悲劇から十年。マックスは未だにメリッサの死から立ち直れず、彼女を撮影したホームビデオを観るのが唯一の慰めになっていた。翌朝、マックスは二人組みの男に寝込みを襲われた。マッコムが真実を知った自分を抹殺しようとしていることに、マックスは気付いた。辛くも男たちを撃退したマックスを、内務捜査官のフィールディングが迎えにやって来た。だが、マックスはフィールディングをマッコムの手下だと思い、彼女を信用するつもりはなかった。
マックスとフィールディングが“TEC”に出勤すると、オペレータのリッキーが、1994年のワシントンから歴史改編の大きな波紋が広がっていることを掴んでいた。早速、マックスは波紋の出所に向けてタイムマシンで出発することに。任務にはフィールディングも同行することになった。マックスとフィールディンの乗ったタイムマシンはレールの上を猛スピードで滑走。マシンがゲートを潜る瞬間、マックスとフィールディンは1994年のワシントンに飛ばされた。
マックスとフィールディンは波紋の出所である工場にやってきた。工場の建物には“パーカー・マッコム・データリンク”という社名が冠せられていた。後にパーカー一人の会社となる“データリンク”は、超伝導チップの発明によって“TEC”のタイムマシンの製造元となる企業だった。マックスが工場内の様子を伺うと、パーカーと若きマッコム議員が会社の経営について言い争っているところだった。そこへ、2004年のマッコムが手下たちを連れて現われた。マッコムは若い自分に“データリンク”を乗っ取るよう指示しにやってきたのだ。“データリンク”を自分の会社にすれば、タイムマシンも自分の管理下に置くことが出来、つまりは、独裁者になることも容易となるというわけだった……。
クレジットはこちら