元恋人の結婚に焦ったキャリア・ウーマンが式の妨害を画策するラブ・コメディ。


ベスト・フレンズ・ウェディング

MY BEST FRIEND'S WEDDING

1997  アメリカ

105分  カラー



<<解説>>

ジュリア・ロバーツが、『マスク』に出演してから人気者になったキャメロン・ディアスと共演したラブ・コメディ。突然、元恋人が結婚すると知り、激しく取り乱すキャリア・ウームン。彼を取り返したい一心で、本人曰く「まるでセンスのない」行動に走ってしまう――これから結婚するという人にとってみれば、元恋人に結婚を邪魔されるなんて、想像しただけでも背筋が凍るだろう。このシチュエーションも、おどろおどろしい演出で撮ったなら、もしかしたら、一級のスリラーになりえたかもしれない。本作は、結婚を妨害する人の立場から描かれているが、最後まで観れば分かるように、ただ主人公が身勝手なだけの作品ではない。主人公の暴走っぷりも、「むべなるかな」と笑い飛ばされているが、結婚を邪魔しようとするどんな気持ちでいるか、ということがちゃんと伝わるような語られ方がされいるので、男女に関係なく、大笑いしながらもちょっぴり切なくさせるような作品に仕上がっている。ロバーツとディアスは、焦りや嫉妬に振り回される度に、泣いたり笑ったりの豊かな表情を見せる。女性二人の愛らしい魅力が活かされた一方で、男性の登場人物の影が薄くなっているが、ゲイのイギリス人俳優、ルパート・エヴェレットが、主人公を支える友人の役として良い味を出している。



<<ストーリー>>

グルメ・ライターのジュリアンは、恋人のマイケルと別れてからも、彼と親友として付き合いを続け、二人は互いに二十八歳まで独身だったら結婚しようと約束していた。だが、ある日、マイケルから結婚するとの報せを受けたジュリアンは、ショックのあまり腰を抜かしてしまった。相手のキムはメジャー・リーグのチーム・オーナーの娘で、まだ出会ったばかりなのだという。
マイケルの結婚を前にして、まだ彼のことを想ってたことに気付き、落ち着かなくなったジュリアン。長年付き合ってきた彼をそう簡単に渡してなるものかと意気込み、マイケルとキムのもとへ乗り込んだ。ところが、あろうことか、キムからブライド・フレンドの役を頼まれ、断われなくってしまった。
ジュリアンは、キムの父親ウォルターの財力とマイケルのプライドを逆手に取ることで、二人を喧嘩されることを思いついた。ジュリアンは、キムをそそのかし、ウォルターにマイケルの仕事を世話するように仕向けた。目論見通り、マイケルを怒らすことには成功するが、直ぐにキムと仲直りしてしまい、かえって二人の愛を深めてしまうことに。
策をなくしたジュリアンは、ゲイの友人である担当編集者ジョージに泣きついた。ジョージから、正直に自分の気持ちを伝えるべきだと勧められたはジュリアンは意を決し、マイケルのもと出向くが……。



<<キャスト>>

[ジュリアン・ポッター]
ジュリア・ロバーツ

[マイケル・オニール]
ダーモット・マローニー

[キム・ウォーレス]
キャメロン・ディアス

[ジョージ・ダウンズ]
ルパート・エヴェレット

[ウォルター・ウォーレス]
フィリップ・ボスコ

[ジョー・オニール]
M・エメット・ウォルシュ

[サマンサ・ニューハウス]
レイチェル・グリフィス

[マンディ・ニューハウス]
キャリー・プレストン

[イザベル・ウォーレス]
スーザン・サリヴァン

[スコット・オニール]
クリス・マスターソン



<<スタッフ>>

[監督]
P・J・ホーガン

[製作]
ジェリー・ザッカー
ロナルド・バス

[製作総指揮]
ギル・ネッター
パトリシア・ウッチャー

[脚本]
ロナルド・バス

[撮影]
ラズロ・コヴァックス

[音楽]
ジェイムズ・ニュートン・ハワード

[音楽監修]
ボニー・グリーンバーグ

[美術]
リチャード・シルバート

[編集]
ガース・クレーヴン
リサ・フラックマン

[衣装デザイン]
ジェフリー・カーランド

[キャスティング]
デイヴィッド・ルービン