<<ストーリー>>
1988年。夫に死に別れた老ドティ・コンソンは、昔、ダイヤモンドの女王と呼ばた野球選手だった。ある日、ドティのかつてのチームメイトが集まる機会が出来た。ドティは気が進まなかったが、娘の強いすすめで、野球の故郷ニューヨーク州クーパーズタウンへ向かった。彼女が野球をやっていたのは、戦争中のことだった――
1943年。メジャーリーグも戦時体制のため選手が次々と出征し、リーグの存続も危ぶまれていた。リーグのオーナーである製菓業界のドンのウォルター・ハービーから、リーグの将来を担わされたアイラ・ローウェンスティンは、メジャー・リーグに代わる女性の野球リーグの構想を実現しようとしていた。
オレゴン州ウィラメット。農場で働くドティとキットの姉妹は、アマチュアのソフトボールチームに所属し、地元のファンからも人気だった。キャッチーのドティにはバッティングのセンスがあったが、ピッチャーのキットは高めばかりを狙ってしまうくせがあった。妹のキットは、いつも自分よりも上手くできるドティに密かに引け目を感じていた。
試合を終えたドティとキットが牛の乳絞りの仕事に戻ると、アーニー・キャパティーノとなるの軽薄な男が声をかけてきた。アーニーは新しく開幕する女性野球リーグのスカウトマンで、さっきのドティたちの試合を見ていたのだ。アーニーの狙いはドティだったが、本人は野球選手になる気はまったくなかった。ドティよりも乗り気だったのは、キットの方で、彼女はアーニーに自分の豪腕をアピールした。アーニーはキットに、姉と一緒ならばチームに入れることを約束。こうして、ドティとキットは球団テストが行なわれるシカゴへ行くことになった。
ドティとキットはシカゴで、父親に野球一筋に育てられたマーラと合流した。器量の良くなかったマーラだったが、父親の熱意に負けたアーニーに一緒に球団テストを受けられることになった。テストの会場であるハービー球場で、三人は、ダンサー出身のメイとその親友ドリスのコンビと火花を散らした。テストに合格した五人は、同じロックフォード・ピーチズのチームメイトになった。
入団した選手たちは、自分たちの着ることになるユニフォームを見て、目を丸くした。それは、ミニスカのドレス風のユニフォームだった。さらに、選手たちに厳しい規律が言い渡された。シーズン中、酒とセックスは禁止。スタジアムでの見栄えをよくするため、チャームスクールにも通わされたのだった。その頃、ハービーは“ピーチズ”の監督として、かつてのスター選手ジミー・ドゥーガンに誘いをかけていた。チームの道具を売り飛ばすという不祥事を起こした上、怪我で膝も曲がらなくなっていたジミーは、野球から離れて、酒びたりの生活を送っていた。
女性野球リーグの開幕の時がやってきた。物珍しさで球場にやってきた観客は、女性の野球選手のことを鼻から馬鹿にしていた。選手を馬鹿にしていたのは、監督のジミーも同じで、彼は試合を見ようともせず、ベンチで寝転がるがっていた。それでも、ピーチズの選手たちは観客の嘲笑を受けながらも、開幕戦をやり通した。その後もドーティたちは懸命に試合をこなして行き、興味本位だった観客にも、本物の野球として認知されはじめていった。
ジミーが相変わらず積極的に試合に関わろうとしなかったため、ドティは監督の代わりに選手たちに指示を出し始めた。すると、それがジミーの闘志に火をつけ、ドティと張り合うように、ようやく監督としての仕事をまっとうしようとするようになった。ところが、ジミーとドティたち選手たちのがんばりに反し、リーグの人気は今ひとつだった。ある日の試合中、ベンチにやってきたアイラからリーグの危機を知らされたドティは、フライをキャッチする瞬間に大開脚して、取材に来ていたカメラマンにアピール。他の選手たちもドティに続いて“見せる野球”を演出するようになった。
ドティたちの華麗なプレイと派手な演出が呼び物となり、リーグの人気は最高潮に。ところが、ハービーは女性の野球リーグを今シーズンかぎりで廃止しようと考えていた。もうじき戦争がアメリカの勝利で終わろうとしているため、メジャーの選手たちが戦地から帰ってくれば、女性の選手は“用済み”だったのだ。ハービーの決定を知らされたアイラは、選手たちに感情移入するあまり、選手たちが“用済み”でないことを証明することを約束した……。
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