<<ストーリー>>

はるか昔。ホビットのスメアゴルは、友人と釣りをしていた最中に、池の底で指輪を拾った。どうしても指輪が欲しくなったスメアゴルは、友人を絞め殺してそれを手に入れた。スメアゴルは人殺しとしてホビットの村を追われた。指輪を“いとしいひと”と呼び、孤独に行きつづけたスメアゴルは、やがて醜く姿を変えて、ゴラムになったのだった。
そして、現在。フロドたちは者ドールを目指してモルグル谷を旅していた。仮眠をとっていたフロドたちが目を覚ますと、まだ昼前なのに辺りは薄暗かった。それはモルドールの直ぐ近くまで来ている証拠だった。一方、アラゴルンたちはアイゼンガルドでメリーとピピンと再会していた。アイゼンガルドは、エントたちによってオークたちが一掃され、辺りは瓦礫と化していた。ピピンは瓦礫の中で奇妙な黒い玉“パランティア”を拾い、中を覗き込もうとした。ガンダルフはパランティアが危険なものであることを知り、それをピピンから取り上げた。一行はローハンに戻り、祝勝の宴を催した。
その夜、フロドとサムが寝静まると、内なるスメアゴルはゴラムにそそのかされ、ホビットたちを殺して指輪を奪う決心をしていた。ホビットを秘密の階段に案内し、蜘蛛の怪物シェロムの餌食してしまおうというのだ。ゴラムの独り言を聴いていたサムはフロドに訴えた。だが、フロドはゴラムを信じ、彼の案内に従うことにした。一方、ローハンでは、ピピンがパランティアをもう一度見てみたくて、まだ寝付けないでいた。我慢が出来なくなったピピンは、寝ているガンダルフの懐からパランティアを奪い、玉の中のぞいた。ピピンの体は痙攣を起こし、パランティアから手が離れなくなったが、目覚めたガンダルフによって離された。
ピピンの愚かさが招いた事態だったが、幸運にも、へレムの敗北でサウロンが我々を恐れていることや、彼の新たな企みを明らかになった。反省したピピンは、玉の中に石の庭と白い木を見たことをガンダルフに教えた。その場所はゴンドールの首都ミナス・ティリスだった。サウンロがミナス・ティリスを襲おうとしているのである。セオデン王はヘルムの戦いに力を貸してくれなかったゴンドールを助ける気にはならなかった。そこで、代わりにガンダルフがゴンドールに警告しに向かうことになった。ミナスティリスには、サウロンに狙われているピピンも連れいくことにした。ガンダルフは愛馬“飛影”にまたがり、ローハンを出発した。
アルウェンは父エルロンドに従い、船で故国へ向うことになった。だが、港へ向かう途中、アルウェンはアラゴルンとの間に子供をもうける未来を見た。それは、エルロンドの言っていた、“悲惨な死い以外なにもない”未来とは違っていたため、アルウェンは館に引き返した。アルウェンは、エルロンドに自分の見た未来を教えると、アラゴルンのために、かつてサウロンを破ったナルシルの剣を鍛えなおしてくれるよう頼んだ。
飛影を駆り続けたガンダルフとピピンはゴンドールの領土へ入った。二人の目の前には、王の都ミナス・ティリスの城砦がそびえ建っていた。城砦の頂上の庭には、ピピンがパランティアの中に見たものと同じ王の木が立っていた。ガンダルフは、ゴンドールを治める王デネソールに息子ボロミアの死のことは伏せるつもりでいた。だが、デネソールはボロミアの死のことを既に知っていて、ガンダルフの警告にも耳を貸そうとしなかった。ピピンはボロミアが自分を庇って死んだことを訴え、デネソールに奉公かることを誓った。その夜、ガンダルフとピピンは、デネソールの城砦の衛兵を命じられた。ガンダルフはモルドールの方向を見やりながら、今度の戦いがかつてないほど厳しいものになるだろうと考えていた。
その頃、フラドとサムはゴラムの案内で秘密の階段の前まで来ていた。フロドは階段の脇にあった大きな門に近付いた。すると、門の向こうに火柱が上がり、ナズグルの首領であるアングマールの魔王が竜に乗って現われた。アングマールの魔王は、人間の男には倒せないという言い伝えがあったため、フロドたちは岩陰に身を潜めた。アングマールの魔王に続き、門の中から続々とナズグルの大群が現われた。
翌日、ガンダルフは敵が責めて来るまで手をこまねいている訳にはいかず、ピピンに命じ、狼煙台に火をつけることを命じた。塔をよじ登ったピピンは、狼煙に火くべることに成功。その希望の火は、中継の狼煙を次々と経て、ついにローハンのセオデンたちのもとにも伝わった。セオデンはミナス・ティリスが助けを求めていることを確認し、兵士たちに出発を告げた。
ファラミアたちゴンドールの兵士たちは、オスギリアスに押し寄せてきたオークたちを押し止めることが出来ず、退却を余儀なくされた。ミナス・ティリスに戻ったファラミアは、ガンダルフに、フロドたちがモルグル谷に向かったことを教えた。ボロミアの死で乱心しているデネソールは、ファラミアにオスギリアスを奪い返すように命じた。ガンダルフはデネソールがファラミアを愛していることを知っていた。だが、ファラミアはガンダルフの制止ににかかわらず、彼は再び出征していった。
フロドたちは、秘密の階段を上りきったところで仮眠をとっていた。ゴラムは他のふたりが寝ていることを確認すると、残り少ない食料を捨てて、そのカスをサムの体に降りかけた。目覚めたサムは食料がなくなっていることに気付き、それをゴラムの仕業とした。だが、ゴラムからサムが指輪を狙っていると吹き込まれていたフロドは、サムの体についた食べカスを見て、ゴラムの方を持った。フロドとサムの信頼は完全に崩れた。サムはフロドに命じられるまま、ひとりで帰ることになった。
ミナス・ティリスへの出征の前日、アラゴルンはリムホルトに通じる死者の道のことを考えた。リムホルトには、かつてローハンに忠誠の誓いをたてながら、戦いに手を貸さなかった者たちがいた。彼らは、誓いを果たせなかったため、呪いをかけられ、亡霊のまま永遠の眠りにつけずにいた。その夜、アラゴルンをエルランド卿が訪ねてきて、アルウェンが病に伏せていることを告げた。また、彼は、ミナス・ティリスにはオークやナズグルだけでなく、海からウンバールの艦隊が迫っていることも教えた。エルランド卿はアラゴルンに、ナルシルの剣を鍛えなおして作ったアンドゥリルの剣を差し出すと、この剣で死者の軍勢を味方につけるようすすめた。
アラゴルンはエオウィン姫に別れを告げると、夜のうち出発することになった。アラゴルンが死者の道に行こうとしていることを知ったレゴラスとギムリも従った……。



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