チャーリーが店員として働き始めた質屋にやって来るのはヘンな客ばかり。
チャップリンの
番頭
THE PAWN SHOP
1916
アメリカ
25分
モノクロ
サイレント
<<解説>>
お店で働くチャーリーが、仕事そっちのけで同僚と喧嘩を始めるという、いつものパターンの作品。ミューチュアル時代の作品にしてはストーリー性が薄いが、ギャグの応酬が見どころ。前半は、同僚の喧嘩の間に見せる小ネタの数々で楽しませてくれる。同僚からどんなに殴られても自分の体より懐中時計の心配をするとか、洗濯機と脱水機(手動のやつ)で食器を起用に洗うとか。エドナから貰ったドーナツが皿より固いなんて、実にチャップリンらしいナンセンス・ギャグだ。後半は、店番に立ったチャーリーと、次々にやってくる客との奇妙なやりとりの連続で見せてく。先の小ネタはナンセンスなものばかりだったが、こちらは四コマ漫画的なコメディでちゃんとオチもついている。チャーリーが客の持ってきた目覚し時計を医者のような手つきで細かく分解してしまう、けっこうな長めなギャグ(部品がひとりでに動き出す超常現象付き)が秀逸だ。
<<ストーリー>>
質屋で働き始めたチャーリー。だが、仕事には遅刻してばかりだし、店長から言いつけられた掃除の間も同僚との喧嘩が絶えない。見かねた店長はとうとうチャーリーにクビを言い渡した。すると、チャーリーはさっきまでの元気をなくし、許しを請い始めた。仕方なく、店長はチャーリーにもういちどだけチャンスをやることにした。
店長がいなくなると、チャーリーは同僚と喧嘩の続きをはじめた。そこへ、隣りの部屋でお菓子を作っていた店長の娘がやってきた。すかさず、チャーリーは同僚にやられた振りをしてその場に倒れ込んだ。娘はチャーリーに同情し、同僚から彼を庇って奥の部屋に連れて行った。そうして、しばらく仕事をサボって娘を笑わせていたが、店長に見つかり、仕事に戻ることに。
しばらくすると、店にコソ泥がやってきた。レジスターを盗もうとしたところを娘に見つかったコソ泥は、「ダイヤモンドを拝見したい」といって、誤魔化した。そうとは知らない店長がコソ泥を奥の部屋へ案内している間、再びチャーリーが店番をすることに。すると、目覚し時計を持った客がやってきた……。
<<キャスト>>
[新米店員]
チャーリー・チャップリン
(チャールズ・チャップリン)
[質屋]
ヘンリー・バーグマン
[その娘]
エドナ・パーヴィアンス
[泥棒]
エリック・キャンベル
[客]
アルバート・オースティン
シャーロット・ミノウ
[老役者]
ジェイムズ・T・ケリー
<<スタッフ>>
[監督/製作/脚本]
チャールズ・チャップリン
[撮影]
R・H・ロザロー
<<プロダクション>>
[製作]
ミューチュアル・フィルム