スカイダイビング・インストラクターの前に現われた謎の美女。
二人は元KGBと金塊をめぐる争いに巻き込まれていく。

ターミナル・ベロシティ

TERMINAL VELOCITY

1994  アメリカ

102分  カラー



<<解説>>

スカイダイビングの要素を大きく取り入れた新感覚アクションで、同趣向の『ドロップ・ゾーン』と競作となった作品。脚本と製作総指揮は、『アライバル 侵略者』でもチャーリーと組むことになるデイヴィッド・トゥーヒー。タイトルは、物理学およびスカイダイビングの用語で、空気中を落下する時の最高速度のこと。
転落死した美女が主人公の前に生きて再び現われるという、ヒッチコックの『めまい』を連想させるストーリー(超高所版『めまい』?)。このまま、巻き込まれ型サスペンスが真面目に展開するかと思いきや、いつものように笑わないチャーリー・シーンの主人公と、ちょとウカツでドジなN・キンスキーのヒロインのコンビがなかなか愉快。演出にも遊び心があり、中盤の見せ場である戦闘機の脱出装置のシーンは、まったく意味ないものの、画的には上々だ。同時に、風圧で顔が歪むカットとかを見せるにつけては、やはり、ミュージックビデオ感覚で撮られているようだ。ストーリー的な必然性よりも、ひとつひとつのアクションの工夫で見せていく作品と言える。その究極と言えるのが、キャデラックを上空から落下させるクライマックス! いくらなんでもありえないが、ハイテンションな演出はスゴイの一言。このシーンだけでも一見の価値あり。



<<ストーリー>>

スカイダイビングのインストラクターのディッチが生徒を指導していた時、生徒の一人の女性クリスが突然、飛行機から飛び出し、転落死した。クリスの死は自殺と見られたが、生前の彼女に不審な部分があったため、ディッチは真相を求めて彼女の身辺を探り始めた。
ディッチが、クリスの死が自殺でないことを裏付ける証拠にに近づいた時、彼の目の前に、死んだと思われていた当人クリスが現われた。ディッチを信頼したクリスは、自分がKGBのエージェントであることと、彼女の仲間がアメリカに持ち込んだロシアの金塊を取り戻そうとしていることを明かした……。



<<キャスト>>

[ディッチ・ブロディ]
チャーリー・シーン

[クリス・モロウ]
ナスターシャ・キンスキー

[ベン・ピンクウォーター]
ジェイムズ・ガンドルフィーニ

[カー]
クリストファー・マクドナルド



<<スタッフ>>

[監督]
デラン・サラフィアン

[製作]
スコット・クルーフ
トム・エンゲルマン

[製作総指揮]
テッド・フィールド
デイヴィッド・トゥーヒー
ロバート・W・コート

[共同製作]
ジョーン・ブラッドショウ

[脚本]
デイヴィッド・トゥーヒー

[撮影]
オリヴァー・ウッド

[音楽]
ジョエル・マクニーリイ

[美術]
デイヴィッド・L・スナイダー

[編集]
フランク・J・ユーリオステ
ペック・プライアー