事故で落ち目になった空中ブランコ乗りに若者が弟子入り。
そこへ、二人を踏み台にスターを目指す女が加わり、思わぬ三角関係に。
空中ぶらんこ
TRAPEZE
1956
アメリカ
105分
カラー
<<解説>>
『第三の男』のキャロル・リードが、冒険小説家で劇作家のマックス・カットーの原作を映画化。トニー・カーティス、バート・ランカスターの共演に加え、イタリアからジーナ・ロロブリジーダをヒロインに迎える。サーカス団を舞台に、野心と愛憎が渦巻くロマンスで、芸に懸ける三人の意外な駆け引きと、芽生え始めた愛情に心をゆらす様が描かれていく。
製作にも関わったランカスターが元アクロバット芸人でため、空中ブランコ・シーンには力が入っている。三人の心を反映するかのような、めまいのするような浮遊感は見応え十分だ。また、ランカスターが役柄と同じく公演中に失敗して挫折を経験したことがあることを踏まえるて観ると、面白さも一塩だ。同様に、台頭してきた若手カーティス、ハリウッドに乗り込んできたロロブリジーダも、劇中の役柄と重なるところがあり、演技を超えたリアリティが感じられる。
<<ストーリー>>
パリのサーカス団。空中ぶらんこの名手マイクは、得意の大技、空中三回転に失敗し、現在は裏方に回っていた。ある日、マイクのもとに、空中三回転を教えて欲しいと、若者ティノが弟子入りを志願してきた。過去の失敗を引きずるマイクは、技を教える気がなかったが、後に引かないティノに根負けし、受け役として一緒に練習を始めることになった。
一方、田舎から上京し、出世のチャンスを狙う曲芸師ローラは、マイクとティノのチームに加わることを団長のボーグリオンに相談した。技よりも華やかさを重視する団長は、ローラの加入を認めた。だが、マイクはティノと二人でやることに拘り、ローラが加わることに消極的だった。そこで、ローラは策略的に若いティノを誘惑し、彼を自分の味方をつけた。
ローラの目論見通り、初舞台は三人チームで演じられ、マイクとティノの二人で練習していた空中三回転は披露されることはなかった。マイクは、ローラがティノを騙していることを知ると、あえて彼女に愛を告白し、二人の仲を引き裂こうとした。空中三回転で復帰を懸けるマイクもまた、ティノが必要だったのだ……。
<<キャスト>>
[マイク]
バート・ランカスター
[ティノ]
トニー・カーティス
[ローラ]
ジーナ・ロロブリジーダ
[ローザ]
ケティ・フラド
[ボーグリオン]
トーマス・ゴメス
[マックス]
ジョニー・プレオ
[ノース]
マイナー・ワトソン
[チッキ]
ジェラール・ランドリー
[オットー]
ジャン=ピエール・ケリアン
[蛇使い]
シドニー・ジェイムズ
<<スタッフ>>
[監督]
キャロル・リード
[製作]
ジェイムズ・ヒル
[原作小説]
マックス・カットー
[脚本]
ジェイムズ・R・ウェッブ
リーアム・オブライエン
[撮影]
ロバート・クラスカー
[音楽]
マルコム・アーノルド
[美術]
リノ・モンデリニ