近未来の荒廃したアメリカを舞台に、セクシーな女賞金稼ぎが
元恋人のために軍隊と死闘を繰り広げる痛快SFヒロイン・アクション。

バーブ・ワイヤー
ブロンド美女戦記

BARB WIRE

1996  アメリカ

98分  カラー



<<解説>>

元プレイメイツのパメラ・A・リーがそのナイスバディをひっさげ、近未来のアメリカを舞台に女賞金稼ぎに扮して所狭しと暴れ回る――と聞けば、かのシダリス映画のような“目の保養”以外はまったく何に残らない映画かと思いきや、かなかなかどうして面白い作品だ。“ブロンド美女”なんていう安いサブタイトルに騙されてはいけない。
原作はコミックだが、元ネタは、なんとあの名画『カサブランカ』。舞台を近未来にし、主役の男女を入れ替え、“抵抗運動のリーダー”→“ウイルス兵器の免疫”、“旅券”→“網膜レンズ”、というように設定や道具立てをいじる。その結果、原典とはまったく印象が異なるSFバイオレンス・アクションに変貌してしまうから楽しい。その一方で、ストーリーの骨子やキャラクターのイメージをそのまま残し、名シーンを再現するといった、原典へのリスペクトも感じられるので、意外と『カサブランカ』ファンにも受けるかもしれない。
監督のデイヴィッド・ホーガンはミュージック・ビデオ出身。その経歴ならではの映像のスタイリッシュさと、ストーリー展開のテンポの良さはもちろんのこと、アクションシーンの迫力も十分。クライマックスの敵ボスとの空中戦まで、格好良いシーンの連続にアドレナリン全開だ。『バイオハザード』や『トゥームレイダー』に端を発し、SFヒロインものが見直されつつあるから今こそ、一見の価値ある作品と言えそうだ。



<<ストーリー>>

2017年。アメリカは内戦で荒れ果て、ただ一つの町が残された。その町で、元レジスタンスのバーブは、盲目の弟チャーリーのためにバーを経営しながら、一方で賞金稼ぎで生計を立てていた。
ある日、バーブを、かつて、自分を裏切った恋人アクセルが頼ってきた。アクセルは、独裁政権が開発したウイルス兵器の免疫を持つ女科学者コーラ・Dと共に、軍の大佐プライザーに追われいるため、その逃亡を助けて欲しいというのだ。だが、バーブは、アクセルの頼みを断わった。
またある日、バーブのもとにコソ泥が訪ねてきて、ある物を売りつけようとしてきた。コソ泥が持ってきたものは、網膜レンズであり、それはコーラ・Dが国外へ脱出するために必要な物だっだが、バーブは相手にしようとなかった……。



<<キャスト>>

[バーブ・ワイヤー]
パメラ・アンダーソン・リー

[アクセル]
テムエラ・モリソン

[コーラ・D]
ヴィクトリア・ローウェル

[チャーリー]
ジャック・ノーズワージー

[ウィリス]
ザンダー・バークレイ

[カーリー]
ウド・キア

[ビッグ・ファトソ]
アンドレ・ロージー・ブラウン

[シュミッツ]
クリント・ハワード

[プライザー]
スティーヴ・レイルズバック

[バーの女]
ティナ・コート

[グーン]
マイルス・ドゥガル

[用心棒]
タイニー・“ゼウス”・リスター

[サント]
マイケル・ラッソ



<<スタッフ>>

[監督]
デイヴィッド・ホーガン

[製作]
ブラッド・ワイマン
マイク・リチャードソン
トッド・モイヤー

[製作担当]
グレゴリー・グッドマン

[キャラクタ創造]
クリス・ワーナー

[原案]
アイリーン・チェイケン

[脚本]
チャック・ファーラー
アイリーン・チェイケン

[撮影]
リック・ボータ

[音楽]
ミシェル・コロンビエ

[美術]
ジャン=フィリップ・カープ

[編集]
ピーター・シンク

[衣装デザイン]
ロザンナ・ノートン

[キャスティング]
リック・モンゴメリー
ダン・パラダ