<<ストーリー>>

恋人同士の銀行員のサムと陶芸家のモリーは、新しい家で同棲生活を開始し、幸せな日々を送っていた。そんなある日のこと、サムは銀行で顧客の口座をチェックしていたところ、預金の額が多すぎる奇妙な口座を発見。サムは調査のため、リタ・ミラー名義のその口座のロックし、他の者に操作できなくした。
サムとモリーがデートで芝居を観に行った帰り道、モリーはサムに二人の結婚の話をしはじめた。サムが返答に臆していたその時、二人の前に強盗が現われた。サムと強盗がもみ合いになるうちに強盗の手にしていた銃が火を噴いた。サムは逃げていく強盗を走って追いかけるが、見失ってしまった。モリーのもとへ戻ってきたサムは、そこに繰り広げられている光景に我が目を疑った。モリーが血だらけのサムの体を抱いて、泣いているのだ。モリーは側に立っているサムの姿に気付いていない様子。サムは自分が死んで、魂が抜けてしまったことに気付いた。サムの体を上空から光が包んだ。お迎えのサインだったが、サムはそれを無視して、自分の遺体と共に病院に向かったモリーを追った。
サムの死後、モリーはサムの親友のカールと一緒に遺品の整理をした。その様子を幽霊になったサムがぼんやりと見つめていた。サムが死んでから、悲しみのあまりふさぎ込んでしまったモリーは、カールに誘われて散歩に出かけていった。サムが家で一人きりになった時、玄関のドアが鍵で開けられ、先日、自分を殺した強盗が堂々と侵入してきた。強盗は、何かを探すように家の中を物色。その時、散歩からモリーが帰ってきた。サムはモリーに危険を報せようとするが、生きているものに自分の姿は見えないし、物に触れてもすり抜けてしまうだけで、どうすることも出来ない。その時、サムの気配に気付いた猫が飛び上がり、気付かれたと思った強盗は家を飛び出していった。
サムは逃げていった強盗の後をつけて行った。強盗を追い、地下鉄に乗ったサムは、自分の姿に気付いて突進してくる一人の男を見てびっくりした。その男も幽霊だった。縄張りを主張するその男は、サムを突き飛ばした後、電車のガラス窓を手で割ってしまった。サムには、幽霊にどうしてそんなことができるのか不思議でならなかった。地下鉄を降りたサムは、強盗の住所と、その名前がウィリー・ロペスであることを突き止めた。ロペスは電話で何者かと話し、「必ずやる」と強い調子で告げた。いったい何をやるというのだ――しかしながら、モリーに危険が迫っていることには違いない。
強盗のアパートの近所を歩いていたサムは、「霊感アドバイザー」の看板を掲げる店を発見した。サムは、霊媒師なら力になってくれると期待。だが、店で客の相談に乗っていた自称・霊媒師のオダ・メイ・ブラウンは、とんでもないインチキで、サムは思わず失笑してしまった。その時、オダ・メイがサムの悪態にびくりと反応。自分でもインチキを自認していたオダ・メイだったが、サムのおかげで霊感に目覚めてしまったのだ。サムは、混乱するオダ・メイを落ち着かせると、モリーに電話で危険が迫っていることを伝えるよう頼んだ。オダ・メイは気が進まなかったが、モリーに電話をかけると、案の定、相手のほうから一方的にきられてしまった。
オダ・メイはサムと縁を切りたかったが、一晩中、寝室で歌を歌われたため、仕方なく、直接、モリーの家に要件わ伝えに行くことにした。オダ・メイの相手をしようとしないモリーを信用させるため、サムは二人の間でしか知らない事実をオダ・メイの口を通じて伝えた。ようやく、モリーはオダ・メイを信用し、彼女を家に入れた。サムはオダ・メイにロペスの名前と住所をメモさせ、モリーに渡したのだった。だが、これで安心できる訳ではなかった。
その夜、未だサムからの伝言のことに半信半疑のモリーは、家を訪ねてきたカールに相談。カールは、オダ・メイに騙されているとし、サムの伝言を否定した。だが、ロペスのことを確かめることは、モリーに約束した。カールは約束どおり、ロペスのもとに向かい、その後にサムもついていった。サムはカールが事態を好転させてくれると思っていたが……。



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