貧しいソプラノ歌手が男に化け、
女形の歌手としてステージに立ったことから起こる騒動を描くコメディ。

ビクター/ビクトリア

BLAKE EDWARDS'
VICTOR Victoria

1982  イギリス/アメリカ

132分  カラー



<<解説>>

「ピンク・パンサー」シリーズ以降、どたばたコメディを得意とするブレイク・エドワーズが、33年のラインホルト・シュンツェルによるドイツ映画"Viktor und Viktoria"(日本未公開)をリメイク。80年代の作品だが、舞台となる30年代に合わせてか、往年のミュージカルを思わせる作品に仕上がっている。主演は、『暁の出撃』より自作に頻繁に起用している夫人ジュリー・アンドリュース。音楽は、『ティファニーで朝食を』からの盟友ヘンリー・マンシーニ。
ソプラノ歌手が必要に迫られて男に化けるというのが事の発端。ロマンティック・コメディにはよくあるシチュエーションだが、男に化けさせた歌手を、さらに女装させてステージに上げてしまうというのだから、話がややこしくなってくる。一軒のナイトクラブを中心に、中年ゲイ(R・プレストン)とソプラノ歌手の友情、男装の麗人とギャング(J・ガーナー)の恋愛という、ちょっとアブナイ人間関係が展開。セクシャルな内容とは言っても、高い気品を感じさせると共に、性別を超えたあたたかな人間愛が溢れている。ラストのどんでん返しは爆笑必死。観賞後、素直に拍手が贈れる粋な映画だ。



<<ストーリー>>

1934年代のパリ。ナイトクラブ“シェ・ルュイ”で働くゲイのトディことキャロル・トッドは、オーディションを受けにやって来たソプラノ歌手のビクトリア・グラントと出会った。ビクトリアは素晴らしい歌声を披露するが、店に合わない理由で落選した。その夜、客と喧嘩をして店主のラビッスからクビを言い渡されたトディは、レストランで先ほどのビクトリアを見かけた。相手が自分と同じ貧乏仲間だと知ったトディは、一緒に無銭飲食をしたことをきっかけに意気投合した。
トディは、歌手の職を探しているビクトリアのため、彼女を男性に化けさせ、クラブで女形として歌わせることを思いついた。ビクトリアは、ビクター・グラジンスキー伯爵と名前を変え、ステージに立った。そして、瞬く間にスターになった。
アメリカでクラブを経営しているキングは、偶然、ビクターのショーを観て、彼(彼女)に一目ぼれ。相手は男だと信じて、欲望を押さえていたキングだったが……。



<<キャスト>>

ジュリー・アンドリュース
ジェイムズ・ガーナー
ロバート・プレストン
レスリー・アン・ウォーレン
アレックス・カラス
ジョン・リス=デイヴィス
グレアム・スターク
ピーター・アーン
シャーロケ・タニー (ハーブ・タニー)
マイケル・ロビンス
ノーマン・キャンサー
デイヴィッド・ガント
マリア・チャールズ
マルコム・ジェミーソン



<<スタッフ>>

[オリジナル音楽]
ヘンリー・マンシーニ

[作詞]
レスリー・ブリッカス

[作曲]
ヘンリー・マンシーニ

[振付]
パディ・ストーン

[衣装デザイン]
パトリシア・ノリス

[製作補]
ジャラルド・T・ナッティング
バックハンツ=NMCカンパニー

[編集]
ラルフ・E・ウィンタース ,A.C.E.

[美術]
ロジャー・マウス

[撮影]
ディック・ブッシュ ,B.S.C.

[脚本]
ブレイク・エドワーズ

[製作]
ブレイク・エドワーズ
トニー・アダムス

[監督]
ブレイク・エドワーズ

[原作]
ハンス・ホームバーグ ・原案
ラインホルト・シュンツェル ・脚本/監督



<<プロダクション>>

[製作]
メトロ=ゴールドウィン=メイヤー (MGM)