金鉱の町で開業した医師が瀕死の女性を介抱したことで、町の男たちの反感を買う。
過去を持つ医師と町の男たちの対立を描く西部劇。

縛り首の木

THE HANGING TREE

1959  アメリカ

106分  カラー



<<解説>>

アクションをある程度やり尽くしてしまったアメリカ西部劇が、マカロニにお株を奪われるまでの間、ドラマとして落ち着きを持ち始めた頃に登場した異色作。アメリカ映画が完成させた西部劇の様式美を貫いているものの、アクション・シーンはほとんどない。過去に影を持つ主人公の医師をミステリアスに演じるのは、西部劇の名作にも数々出演のスターのゲイリー・クーパー。過去の過ちの繰り返しを恐れ、ヒロインのために潔く財産を放り出す主人公に対し、欲に目がくらんだ町に男たちの姿を対比させた激烈な人間ドラマに仕上がっている。暴徒と化した男たちが、主人公を文字通りに吊るし上げるクライマックスが圧巻。



<<ストーリー>>

ゴールドラッシュに沸く西部のある町。金塊を盗もうとして追っ手に銃傷を追わされた青年ルーンは、ちょうど町にやって来た医師のフレイルに助けられた。だが、フレイルは横暴な男だった。ルーンは、盗みの証拠となる拳銃の弾をフレイルに握られたため、彼のもとで働くはめになった。
フレイルが町で医院を開業した直後、町の男フレンチィが、駅馬車の事故で行方不明になっていた女性を発見した。その女性エリザベスは、激しい日差し長時間さらされていたため、眼がほとんど見えなくなっていた。フレイルはエリザベスの眼の治療を行うことになったが、新参者の彼は町の男たちの反感を買ってしまうことに。
治療を続けるうちに、フレイルとエリザベスは愛し合うようになった。だが、フレイルは、エリザベスの目が治るとすぐ、彼女を医院から追い出してしまった。エリザベスの気持ちを蔑ろにするフレイルの態度に怒ったルーンも、一緒に医院を飛び出した……。



<<キャスト>>

ゲイリー・クーパー
マリア・シェル
カール・マルデン
ジョージ・C・スコット
カール・スウェンソン
ヴァージニア・グレッグ
ジョン・ディアクス
キング・ドノヴァン
ベン・ピアッツァ



<<スタッフ>>

[脚本]
ウェンデル・メイズ
ハルステッド・ウェルズ

[原作小説]
ドロシー・M・ジョンソン

[音楽]
マックス・スタイナー

[主題歌]
「縛り首の木」
マック・デヴィッド ・作詞
ジェリー・リヴィングストン ・作曲
マーティ・ロビンス ・歌

[撮影]
テッド・マッコード (テッド・D・マッコード) ,A.S.C.

[装飾]
ダニエル・B・キャスカート

[編集]
オーウェン・マークス

[製作担当]
ルー・レアリー

[録音]
スタンリー・ジョーンズ

[装置]
フランク・M・ミラー

[オーケストラ]
マーレイ・カッター

[衣装(シェル)]
オリー=ケリー

[衣装デザイン]
マージョリー・O・ベスト (マージョリー・ベスト)

[メーキャップ監修]
ゴードン・バウ ,S.M.A.

[助監督]
ラッセル・ルウェリン

[製作]
マーティン・ジュロー
リチャード・シェファード

[監督]
デルマー・デイヴィス



<<プロダクション>>

[提供]
ワーナー・ブラザース映画

[製作]
バロダ