差出宛先不明の一通のラブ・レターをきっかけにしたちょっぴり切ないラブ・コメディ。

ラブレター
誰かが私に恋してる?

( ラブ・レター )

the love letter

1999  アメリカ

88分  カラー

日本劇場未公開



<<解説>>

『金枝玉葉』シリーズでラブ・コメの手腕を見つけたの香港のピーター・チャンが、ドリームワークスで提供のもとハリウッドで撮った作品。『金枝玉葉』同様、少女漫画チックな愛らしい世界観で描かれている。日本では劇場未公開。
物語の舞台となるのは、誰も彼もが顔見知りというくらいの小さな町。そこへ、差出人も宛先も書かれていない一通のラブ・レターが迷い込んだから、さあタイヘン。主人公の中年女性をはじめ、親友が! 幼馴染みが! 親子ほど年の離れた青年が! それぞれに勘違いに次ぐ勘違いを繰り返し、気まずい○角関係を描き出していく。ラブ・レターの悪いのか、それとも当人が望んだからなのか。とにもかくにも、ラブ・レターが出てきたとたん、皆、魔法にかかったように情熱的になってしまうところが可笑しく、トキメキいてみたり、傷ついてみたりと、多様な表情を見せていく。愛というのは勘違から来るものかもしれないが、そうであったとしても、決して悲観的なことではないということを教えてくれるような作品だ。



<<ストーリー>>

海辺の町ロブロリー。書店を経営する中年女性ヘレンは、離婚して以来、禁欲生活を続けていた。娘のエミリーをキャンプに送り出した日のこと、ヘレンは店の郵便物の山の中から一通の気になる手紙を見つけた。封筒は見当たらず、差出人は不明だが、それは明らかにラブ・レターだった。手紙に綴られた甘い言葉に酔ったヘレンは、それが自分に宛てられたものと信じた。その日からヘレンは、手紙を書いたのが誰なのか気になり、そわそわしながら日々を過ごすことになった。
そんなある朝のジョギング中、夏休みで帰省してきた大学生ジョニーと遭遇したヘレンは、何の気なしに彼を自宅に招いた。ジョニーは、ヘレンが席をはずした時に、テーブルの上に無造作に置かれたラブ・レターを発見した。ヘレンが自分に宛てて描いたものと勘違いしたジョニーは、彼女に色目を使うようなった。
市長選の夜、ヘレンとジョニーは二人並んで花火を見ていた。ジョニーは悪戯心で、ヘレンの耳元でラブ・レターの一節をささやいた。ヘレンはジョニーがラブ・レターの主だと確信した。翌日、店にジョニーが上半身裸という姿で現れ、ヘレンはドギマギ。服を着るよう叱ったヘレンだったが、結局、ジョニーの誘惑に負け、禁欲をやぶってしまった。ヘレンが店を空けている間、親友のジャネットが留守番をしていた。ちょうど消防士のジョージが店に訪ねてきたが、彼が火災報知機を置いて帰っていった直後、ジャネットは郵便物の中からラブ・レターを見つけた。
その頃、店に向かっていたヘレンは、ジョニーとの過ちに焦りを隠せず、スピード違反で捕まってしまった。警官のダンが違反キップを切ろうとすると、ヘレンはさっきのことを思い出して泣き出してしまった。そんなハプニングに遭いながら、ようやく帰宅したヘレンは、ジャネットからさっきの店での出来事を聞かされた。ジャネットがジョージから貰ったとして、見せびらかしたラブ・レターは、ヘレンが自分に宛てられと思っている例の手紙だった。当然、ヘレンはジャネットの話を否定したが、その理由をどう説明したら良いか分からなかった。傷つけられたジャネットは怒り出し、ヘレンに絶交を言い渡した。
ジャネットの想いとは裏腹に、ジョージの意中の相手はヘレンで、高校時代からの長い片思いだった。離婚協議中のジョージは、その夜、デートのつもりでヘレンを夕食に誘った。ヘレンとジョージが一緒に食事に出掛けたその夜、ジョニーは幼馴染みのジェニファーと一緒にいた。二人は男友達のような付き合いをしていたが、実は、ジェニファーは密かにジョニーのことを想っていた。ジョージと一緒にいるヘレンを目撃したジョニーは、当てつけに目の前のジェニファーとキスをした。
突然、キスされたジェニファーは、ジョニーとの関係に脈があると思い込んだ。意を決したジェニファーは、ルームメイトのケリーに外泊を頼み、ジョニーを家に誘うことに。一方、ヘレンは昨日の出来事の後を引きずっていて、ジョニーと距離を置くことを考えていた……。



<<キャスト>>

[ヘレン]
ケイト・キャプショー

[リリアン]
ブライス・ダナー

[ジャネット]
エレン・デジュネレス

[ミス・スキャターグッズ]
ジェラルディン・マクイーワン

[ジェニファー]
ジュリアンヌ・ニコルソン

[ジョニー]
トム・エヴェレット・スコット

[ジョージ]
トム・セレック

[エレノア]
グロリア・スチュアート

[ダン警官]
ビル・ブエル

[郵便局受付]
アリス・ドラモンド

[レイ]
エリック・ジェンセン



<<スタッフ>>

[キャスティング]
マリ・フィン ,C.S.A.

[音楽]
ルイス・バカロフ (ルイス・エンリケス・バカロフ)

[共同製作]
カレン・コッチ

[衣装デザイン]
トレイシー・タイナン

[編集]
ジャクリーン・キャンバス ,A.C.E.

[美術]
アンドリュー・ジャクネス

[撮影]
タミー・レイカー

[製作総指揮]
ボー・フリン
ステファン・シムコウィッツ

[製作]
サラ・ピルスバリー
ミッジ・サンフォード
ケイト・キャプショー

[原作小説]
キャスリーン・シャイン

[脚本]
マリア・マッゲンティ

[監督]
ピーター・ホースン・チャン (ピーター・チャン)



<<プロダクション>>

[提供]
ドリームワークス映画

[製作]
サンフォード/ピルスバリー