無実の罪で投獄された兄弟分を救うため、
刑務所に身を投じたギャングの牢獄生活を描く犯罪ドラマ。
ラ・スクムーン
LA SCOUMOUNE
1972
フランス/イタリア
101分
カラー
<<解説>>
『冒険者たち』の原作など、作家としても知られるジョゼ・ジョヴァンニの暗黒もの。原作は、ジョヴァンニがギャング時代に刑務所で出会った男をモデルに書いたという小説。主演には、アラン・ドロンと人気を二分するフランスのスター、ジャン=ポール・ベルモンドを迎える。ゴダール映画をはじめ、様々なタイプの作品でキャリアを重ねたベルモンドが、常に冷静沈着な昔かたぎの“仕事人”を迫真の熱演。彼のクールな魅力が冴えわたる。また、主人公たちが投獄された十数年の間に、時代が戦争を挟んで急激に変わってしまうという趣向も面白い。かつては“死神(ラ・スクムーン)”と呼ばれた男も、急速な時代の流れには抗えず、しかし、それでもポリシーを貫こうとする。諸行無常を感じされさせる味わい深いラストは、ジョヴァンニの真骨頂だ。
<<ストーリー>>
マルセイユの暗黒街。一匹狼の仕事人ロベルトは、無実の殺人容疑で起訴された兄弟分ザビエの救出を、その妹のジョルジアから依頼された。まず、ロベルトは、ザビエに罪を被せた暗黒街のボス、ビラノバを始末した。そして、ザビエの無実を主張しつづけたが、結局、有罪が確定し、投獄されてしまった。
早速、ロベルトは、ザビエを脱獄させる計画を立て始めたが、その頃、ビラノバから取り上げて自分のものにしていた酒場が、街のゴロツキに狙われていた。酒場を護るためにゴロツキと撃ち合いをしたロベルトは、逮捕されるが、監獄でザビエと再会することになった……。
<<キャスト>>
[ロベルト]
ジャン=ポール・ベルモンド
[ジョルジア]
クラウディア・カルディナーレ
[ザビエ]
ミシェル・コンスタンタン
[ミグリ]
エンリケ・ルセロ
[ビラノバ]
アルド・ブフィ・ランディ
[強盗]
ジェラール・ドパルデュー
[売春婦]
アンドレア・フェレオル
[グレゴワール]
ニコラス・ヴォーゲル
<<スタッフ>>
[監督/原作小説/脚本]
ジョゼ・ジョヴァンニ
[製作]
ラルフ・ボーム
[製作総指揮]
レイモン・ダノン
[撮影]
アンドレアス・ヴァインディング
[音楽]
フランソワ・ド・ルーベ