ハワイ在住のグラマー捜査官軍団が、ベガスで中国製兵器密輸組織と対決。

スパイ・エンジェルス

( スパイ・エンジェル グラマー美女軍団 )

GUNS

1990  アメリカ

96分  カラー

日本劇場未公開



<<解説>>

シダリス・ファミリーは、知る人ぞ知る「ピカソ・トリガー」シリーズ等のB級作品を製作している映画一家で、その作品の分かりやすい特徴と言えば、なんちゃってプレイメイツ軍団がハワイやベガスや大暴れするという、お決まりの内容である。とにかく、金髪グラマーが強力火器を担いでいるという画を撮るのだ! というモチベーションの簡潔さと、その他の要素に関してはあまり頓着していないという潔さは、ある種の魅力となっている。また、観客が観たいもの(というより、シダリス一家の趣味らしいが)を掛け値無し見せてしまった作品の前では、「低俗」という言葉ですら誉め言葉になり、現在、第七芸術と呼ばれている映画も、本来は“見世物”であったことを認めざるを得なくなる。まさに、シダリス作品は映画の鑑とも言えるのである。
ドナ・ハミルトン(ドナ・スピア)を中心としたハワイ在住のFBI捜査官の活躍を描いた本作は、テレビでは、「スパイ・エンジェル グラマー美女軍団」シリーズの1作目ということになっているが、実は、『グラマー・エンジェル危機一発』(1987)、『ピカソ・トリガー 殺しのコード・ネーム』(1988)、『ピカソ・トリガー2 サベージ・ビーチ』(1989)に続く、第4弾にあたる(シリーズのプロトタイプ『マリブ・エクスプレス』(1985)を含めれば5作目)。実際は、シリーズの体系やストーリーのつながりもあっていなような物で、どの作品から見たところで大差はないが、本作は、舞台としてハワイとベガスの両方をまたにかけているため、シリーズの特徴の一つであるお手軽なゴージャスさが堪能できる一作となっている。また、必然性のないヌードや、リゾート感満点のバカンス・シーンなどのお約束もお楽しみ。
ちみに、本作以降もシリーズは続き、『パット・モリタVSプレイメイツ ボディ・エンジェルス(スパイ・エンジェル グラマー美女軍団2)』(1991)、『グラマラス・ハンターズ(スパイ・エンジェル グラマー美女軍団3)』(1992)、そして、『グラマラス・キラーズ(グラマラス・ハンターズ 美人秘密捜査官・セクシー指令!)』(1993)。また、『サベージ・ビーチ』以降、「ピカソ・トリガー」シリーズとして知られる一連の作品は、一応、別シリーズ。それは、『ピカソ・トリガー エネミー・ゴールド指令』(1993)から始まっていて、『ピカソ・トリガー ダラス・コネクション』(1994)、『ピカソ・トリガー デイ・オブ・ザ・ウォリアー』(1996)、『ピカソ・トリガー リーサル・エンジェルス』(1998)と続いている。また、最後の『リーサル・エンジェルス』は、ややこしいことに、『サベージ・ビーチ』の続編扱いでもある。



<<ストーリー>>

ハワイのホノルルに暮す美女ドナとニコルは、昼間は輸送会社を運営しているが、夜は凄腕の連邦捜査官。ある日、ドナたちの仲間のロッキーとレストランの客が、女装した二人組みの男に殺された。ベガスのデガという男が、コニルを亡き者にするために殺し屋を差し向けたのだが、殺害に失敗したのだ。ドナとニコルは、ヘリから自動車に乗り継いで逃げる殺し屋カビーとチトを追いかけるが、見失ってしまうのだった。
殺し屋が残していったトランプのカードはベガスのカジノのものだった。さっそく、ドナとニコルは、仲間のシェーンとブルースを通じてベガス支部のルーカスと連絡をとり、現地に乗り込んでいった。空港に到着すると、ドナたちは、デガの手下の小型飛行機から攻撃を受けた。ドナが小型飛行を撃ち落し、大破した機体調べると、中国製の最新兵器が見つかった。ドナたちは、普段はカジノでダンサーをしている連邦捜査官イーディやキムらと合流し、事件の捜査を開始。イーディは、スウィートに長期宿泊しているデガやその部下のトンガの身辺を探っていった……。



<<キャスト>>

[ドナ・ハミルトン]
ドナ・スピア

[ニコル]
ロバータ・ヴァスケス

[ブルース]
ブルース・ペンホール

[イーディ]
シンシア・ブリムホール

[ルーカス]
ウィリアム・バミラー

[キャッシュ]
デヴィン・デヴァスケス

[キャスリン・ハミルトン]
フィリス・デイヴィス

[エイブ]
チャック・マッキャン

[シェーン]
マイケル・シェーン (マイケル・J・シェーン)

[カビー]
チュ・チュ・マレイヴ

[ティト]
リチャード・カンシーノ

[シフ]
ジョージ・キー・チャン (ジョージ・チャン)

[トング]
ダニー・トレホ

[キム]
キム・マリン

[エース]
リヴ・リンデランド

[ダイヤのジャック]
エリック・エストラーダ



<<スタッフ>>

[編集]
マイケル・ハイト

[音楽]
リチャード・リオンズ

[撮影]
ハワード・ウィクスラー

[製作]
アーレン・シダリス

[脚本/監督]
アンディ・シダリス