リトル家の養子になったのは小さなネズミのスチュアート。
E・B・ホワイトの名作を映画化したファミリー・コメディ。

スチュアート・リトル

( スチュアート・リトル 特別編 )
( スチュアート・リトル 特別篇 )

STUART LITTLE

1999  ドイツ/アメリカ

98分  カラー



<<解説>>

「シャーロットのおくりもの」のE・B・ホワイト原作の童話「スチュアートの大ぼうけん」(旧題「ちびっこスチュアート」)の映画化。原作のスチュアートは人間の一家の子供として“生まれた”ということになっているが、本作は養子として“やってきた”という設定に変更。物語も映画オリジナルとなっている。ネズミであるスチュアートが人間の家庭で巻き起こす騒動、というものが物語の基本ではあるが、家族の絆や再生といった現代的なテーマが織り込まれていて、最後にはちょっぴり感動させてくれる。
最大の見所は、実写の中にCGアニメ―ションで描かれたキャラクターを合成させた映像。同手法の作品は、既に『キャスパー』などで実績はあるものの、本作はさらにそこに、実写の動物の体の一部をCGで動かして演技させた『ベイブ』の手法も取り入れていた摩訶不思議な映像は必見だ。100パーセントCGで描かれたスチュアートと、ほぼ100パーセント実写の飼い猫スノーベルの共演を違和感無く見せてしまうというだけでも、映像のクオリティーの確かさが分かる。
本作の顔であるスチュアートは、CGキャラだからといって、アニメ的なおもしろおかしい動きを見せるのではなく、意外にも人間並みの繊細な芝居で楽しませてくれる。天才子役もかくやといった、こましゃくれたその表情。スノーベルに「実は家族に嫌われていた」などと吹き込まれた時の哀しげな顔にいたっては、オスメントもびっくりだ。その芝居は、アニメ合成というエフェクトの域を越え、もはや一人の俳優といってもいいほど。スチュアートの声をあてているのは、療養中のマイケル・J・フォックス。
子供はもちろん大人も安心して楽しめる作品だが、大人に媚を売るようなことは極力避け、一貫して童話の世界を描いている。スチュアートが養子として登場するというのは致し方ないものの、それ以外は“大人の事情”のようなものを匂わせるようなことはしていない。そのスチュアートの登場シーンにしても、彼の姿を見たリトル夫妻がほとんど驚いていないところが確信的だ。これが“おとぎ話”であることを、まずはじめに了承させることにより、大人の観客も子供と同じ高さの目線で物語に接することが出来るのである。そして、だからこそ、スチュアートがジョージにもらったスポーツカーの模型に乗って去っていく場面も、まったく許させるのである。
好評につき、劇場版の続編が公開された後、フルCGアニメの3作目がビデオのみでリリースされた。また、テレビ放映用の「特別編」は、俳優スチュアートへのインタビューのパロディなど、7分間の未公開シーンを追加したもの。


<<ストーリー>>

ニューヨークにパパとママと息子のジョージの三人で暮していたリトル一家。ある日、「弟が欲しい」というジョージの願いをかなえるため、パパとママは養子施設に訪ねた。そして、そこで体長8センチに満たない小さなのネズミのスチュアートと出会った。パパとママはスチュアートを気に入ると、早速、彼を養子縁組することに決めた。ところが、ジョージは一目、スチュアートを見ると、「こんなの弟じゃないと」と言って、彼のことを受け入れてくれなかった。
スチュアートはジョージに気に入ってもらおうと、子供部屋のオモチャを使って遊んでみせたりなどして、一生懸命に自分をアピール。ようやく心を開いたジョージは、スチュアートに手伝ってもらい、作りかけだった帆船の模型を完成させた。ジョージは帆船のレースに出場する予定だったが、レースの直前、スチュアートがジョージから預かっていたリモコンを通行人に踏み潰されてしまった。レースに出られなくなり、ジョージは落ち込んでしまうが、スチュアートが帆船の模型に乗って、レースに出場。そして、見事に優勝を果たしたのだった。
帆船レースの一件で株を上げたスチュアートは、ジョージにも家族の一員として認められるようになった。だが、そんなスチュアートのことを快く思わない者が一匹いた。リトル家の飼い猫スノーベルである。彼は、ネズミのくせに家族あつかいされているスチュアートに嫉妬し、彼を追い出す計画を野良猫たちと練り始めた……。



<<キャスト>>

[ミセス・リトル]
ジーナ・デイヴィス

[ミスター・リトル]
ヒュー・ローリー

[ジョージ・リトル]
ジョナサン・リプニッキ

<<声の出演>>

[スチュアート]
マイケル・J・フォックス

[スノーベル]
ネイサン・レイン

[スモーキー]
チャズ・パルミンテリ

[モンティ]
スティーヴ・ザーン

[レジー・スタート氏]
ブルーノ・カービー

[カミール・スタート夫人]
ジェニファー・ティリー



<<スタッフ>>

[キャスティング]
デブラ・ゼイン ,C.S.A.

[シニア視覚効果監修]
ジョン・ダイクストラ ,A.S.C.

[衣装デザイン]
ジョセフ・ポロ (ジョセフ・A・ポロ)

[音楽作曲/指揮]
アラン・シルヴェストリ

[編集]
トム・フィナン

[美術]
ビル・ブルゼスキー

[撮影]
ギレルモ・ナヴァロ

[製作総指揮]
ジェフ・フランクリン
スティーヴ・ウォーターマン
ジェイソン・クラーク

[原作]
E・B・ホワイト 「スチュアートの大ぼうけん(ちびっこスチュアート)」

[脚本]
M・ナイト・シャマラン
グレゴリー・ブルッカー

[製作]
ダグラス・ウィック

[監督]
ロブ・ミンコフ

[特殊効果]
ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス
パトリック・タトプロス・デザイン
リズム・アンド・ヒューズ