<<ストーリー>>
標的を確実に仕留める凄腕の殺し屋レオン。彼はニューヨーク・リトル・イタリーのアパートに一人暮らし。好物はミルク。趣味はミュージカル映画鑑賞。そして、唯一の友達は鉢植え。子供の頃に暗殺仲介人のトニーに拾われ、殺し屋として育てられたレオンはまともな教育を受けておらず、読み書きが出来なかった。レオンの隣りの部屋に暮しているのは、彼と顔見知りの少女マチルダとその家族。父親は麻薬の売人で、母親は継母、義姉は体重を減らすことしか考えていない。4歳の弟だけは自分に懐いてくれたが、家族に愛されていないと感じているマチルダは、学校にも行かず、アパートでタバコを吸って日々を潰していた。
ある日、マチルダの家に“スタン”と呼ばれるスーツの男が部下を引き連れてやって来た。スタンはマチルダの父親に預けていたヘロインを出すよう迫っていた。父親が「くすねていない」と主張すると、スタンは不気味な威圧感で父親を圧倒。正午までに盗んだ犯人を調べるよう約束させ、部下と共にアパートを出て行った。
翌日、義姉に殴られ、アパートの廊下で鼻をすすっていたマチルダは、帰宅したレオンにハンカチを渡された。お礼にマチルダはレオンのミルクを買いに出掛けた。マチルダが買い物に行っている間、時刻は正午を指し、約束どおりスタンが部下たちと共にやってきた。スタンはいつも携帯しているカプセルを口に含むと、マチルダの家に押し込み、幼い弟を含む一家四人を次々と射殺した。紙袋を抱えてアパートに戻ってきたマチルダは、自宅の玄関に横たわる父親の死体を横目に見ると、そのまま真っ直ぐ進み、突き当たりのレオンの部屋のベルを押した。スタンの凶行の一部始終をドアののぞき穴から見ていたレオンは、「中に入れて」と泣きながらベルを押しつづけるマチルダを部屋に招き入れたのだった。
レオンはマチルダから事情を訊いていたが、彼が少し目を離した隙に、銃の入った鞄の中身を見られてしまった。レオンは仕方なく自分が“掃除屋”であることを打ち明けた。レオンの職業を知ったマチルダは、弟を殺した犯人の暗殺を依頼しようとするが、料金は5000ドルだという。そんな大金が払えないマチルダは、家事をする代わりに、レオンに殺し方を教えて欲しいと迫った。夜になり、秘密を知られてしまったレオンは、寝静まったマチルダに消音器付きの銃を向けた。だが、女と子供以外は殺さないというポリシーには背けず、銃を戻したのだった。
翌朝、レオンはマチルダを連れてホテルの部屋に移った。トニーから殺しの初心者が使うライフルを借りたレオンは、ビルの屋上にマチルダに連れて行き、狙撃の練習をさせた。マチルダは、レオンから銃の扱い方や体の鍛え方を教わる一方、約束どおり家事をこなし、ついでにレオンに読み書きを教えるようになった。レオンは身の回りのことを何でもマチルダにまかせたが、鉢植えの世話だけは彼女にやらせなかった。鉢植えの自分と同じで無口で根がないところが好きだったレオンだが、「大地に植えれば根を張る」とマチルダから教えられ、黙って頷いた。マチルダはレオンと一緒に暮すうち、彼に恋していることに気付いた。マチルダがそのことをレオンに話すと、彼は逃げるように仕事に出かけてしまった。
ある日、マチルダは家族が殺された自宅に侵入し、床板を外した。ヘロインを探していたスタンたちも、床下の金には気がつかなかったようだ。マチルダがお気に入りのぬいぐるみと金をもって部屋を出ようとすると、スタンが二人のスーツの男たちとやってきた。スタンはスーツの男たちと「捜査のやり方」について揉めているようだった。だが、そのうち、スタンは怒り出し、部屋を出て行った。マチルダがタクシーでスタンの後を追うと、行き着いた先は麻薬取締局のビルだった。男は麻薬取締局の捜査官スタンフィールドだったのだ。その時、マチルダは弟の復讐の計画を思いついた……。
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