ゴーストとして現世に戻ってきた消火パイロットが恋人を見守る姿を描くファンタジー。
オールウェイズ
ALWAYS
1989
アメリカ
105分
カラー
<<解説>>
『ジュラシック・パーク』や『プライベート・ライアン』のような大作を撮りながら、その一方で、本作や『ターミナル』のような小品もかかさずに撮り続けているところが、スピルバーグの監督としての魅力かもしれない。本作は、監督自身に個人的な思い入れのあるという、ヴィクター・フレミングの本邦未公開作"A GUY NAMED JOE(ジョーと呼ばれた男)"のリメイク。仕事中に死んでしまったパイロットがゴーストとして現世に舞い戻り、恋人を見守る姿をハートウォーミングなタッチで描いていく。
どこか懐かしさを感じさせるような映像と演出は、例えば『天国への階段』のような古き良き時代のファンタジー・ロマンスを思わせるが、スピルバーグがオリジナルから受けた印象を再現して観客に伝えようとしているのかもしれない。そんな作品のあたたかなムードに合わせた、いかにも人の良さそうなドレイファスやグッドマンといったキャストは手堅いが、ゲストがオードーリーというところだけは意外。現世に戻ってきたドレイファスがハンターを見て、「相変わらずファニー・フェイスだな」と言う場面があるが、その台詞は元祖ファニー・フェイスのオードリーへ贈られたものなのかもしれない。本作はオードリーの遺作となったが、何の因果か、本作のオリジナル脚本は彼女の出世作『ローマの休日』を手がけたダルトン・トランボだった。
ちなみに、比較的メジャーな『ゴースト ニューヨークの幻』を思わせる内容だが、それより前に製作された作品である。
<<ストーリー>>
山火事の消火パイロットのピートは、ある日の消火動中、同僚のアルの操縦する飛行機の火を消そうとして、自分が事故死してしまった。天国にやってきたピートはそこでハップという名の天使と出会った。ハップは、若きパイロットのベーカーにインスピレーションを与えるようピートに言い、彼をゴーストとして現世に戻した。
ピートが見守ることになったベーカーは、アルが所長を務めるパイロット養成所に属していた。そして、養成所の近くには、偶然にもピートの生前の恋人ドリンダが住んでいた。だが、ゴーストの取り決めとして、ピートは自分自信のためにドリンダに近づくことは許されなかった。一方、ドリンダはピートを亡くしたことからまだ立ち直れずにいたが、養成所でベーカーと出会ったことから徐々に変わっていった。ピートは、ドリンダとベーターが良い関係になっていくのをもどかしく見ていることしか出来なかった……。
<<キャスト>>
[ピート・サンディッチ]
リチャード・ドレイファス
[ドリンダ・ダーストン]
ホリー・ハンター
[テッド・ベーカー]
ブラッド・ジョンソン
[アル・ヤッキー]
ジョン・グッドマン
[ハップ]
オードリー・ヘプバーン
[デイヴ]
ロバーツ・ブロッサム
[活動家]
キース・デイヴィッド
[レイチェル]
マーグ・ヘルゲンバーガー
[ドン]
デイル・ダイ
[バス運転手]
ダグ・マクグラス
<<スタッフ>>
[監督]
スティーヴン・スピルバーグ
[製作]
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ
[共同製作]
リチャード・ヴェイン
[オリジナル原案]
チャンドラー・スプレイグ
デイヴィッド・ビョーム
[オリジナル潤色]
フレデリック・ハズリット・ブレナン
[オリジナル脚本]
ダルトン・トランボ
[脚本]
ジェリー・ベルソン
[撮影]
ミカエル・サロモン
[音楽]
ジョン・ウィリアムズ
[美術]
ジェイムズ・ビッセル
[編集]
マイケル・カーン
[衣装デザイン]
エレン・ミロニック
[特殊効果]
インダストリアル・ライト・アンド・マジック
[キャスティング]
ローラ・ケネディ